‘PC-6001’ カテゴリーのアーカイブ

タイニーゼビウス 完全解析&解説

2015年9月15日 火曜日

PC-6001同人誌「PC6000NOTE No.5」に寄稿した記事をWeb用に再編集してアップロードしました。

タイニーゼビウス 完全解析&解説

PC-6001mkII版ハイドライドをSMC-777に移植

2015年7月7日 火曜日

移植しようとしたきっかけとか、まるで無くて、なんとなーく移植してみたくなったので移植しました。オモチャ(SMC-777)が手元にあったから、という以外の理由が思い当たらず、趣味のプログラミングとして楽しんだというところです。かかる費用は自分の時間だけですし。

(続きを読む…)

PC-6601SR 赤外線キーボードをWindowsパソコンで代用してみる

2014年11月30日 日曜日

PC-6601SRの赤外線キーボードを、Windowsパソコン+USB赤外線キットで代用してみました。

WindowsでPC-6601SRをコントロール

記事の詳細は別サイトで。

PC-6001 SCREEN MODE4 の色滲みを調べる

2014年10月31日 金曜日

別サイトへのリンクですが、PC-6001の色のにじみ現象とはなんなのか、とことん調べてみました。NTSCで色が出る仕組みや、AppleIIの発色方法などの参考にも。

PC-6001 SCREEN MODE4 の色滲みを調べる

色滲み

PC-6001mkIIのバージョン違い

2013年8月6日 火曜日

PC-6001mkII本体にはバージョン違いがあるようです。

以前からPC-6001シリーズに搭載されているBASIC ROMにはCRC違いがあると言われていたのですが、mkIIの場合は目に見える形で違いがわかります。
PC-6001好き好きメンバーの推測では、これらの写真のmkIIが後期バージョンだと考えられています。

mkIIメニュー 起動画面

起動時のメニュー画面では、“PC-6001 Mk2 BASIC”が“PC-6001 Mk-2 MENU”になっています。
BASIC起動後の画面ではバージョン表記が“Ver.1.7”がVer. 1.7”になっています。

mon(機械語モニタモード)からBASICへの復帰時にAGAIN BASICと表示されません。従来のmkII(前期バージョン)だとこんな感じでした。
Bコマンド

機械語モニタのB-R命令実行時も素っ気なくなっています。
BR復帰

前期バージョンでは
REVIVAL
REVIVAL AND AGAIN BASICと表示されていたのですね。

ちなみに、後期バージョンでBASIC起動直後にmon→B-Rとするとハングします。キーボードを押すとポチポチと音はするので割込みは生きてるっぽいのですが。

本体内部のBASICのROMにプリントされている文字にも違いがあり、PCR-02がPCR-02Bになっています。
MASKROM

BASICの内部処理自体にも変更点があるようで、えすびさんがまとめてくださっています。

タイニーゼビウスをX68000に移植してみた

2013年6月8日 土曜日

一年前のメモから

2012年6月8日のことでした。6月8日はX68000の日らしく、twitterではX68000が好きな人達や、ライバル機種の人達が入り乱れて、各々が楽しく一日を過ごしていました。その様子は「2012年6月8日は「X68000」の日」にまとめられています。

うんうん、みんな楽しそうですネ・・・いやいや!P6er(※PC-6001ユーザのこと)としては、いくら格下の機種(PC-6001>越えられない壁>X68000という意味)とはいえ、ライバル機が活発に活動しているのを見過ごすわけにはいきませんから、ここは何か仕掛けねば!と一人勝手に思い立ちました。

とはいっても、当日に何かするには仕込み時間が無さ過ぎたので、1年後の2013年6月8日を目標日に定めました。変化の激しい時代になんと気の長い話。でもこの不安定なご時世(※2012年)に1年後のネタを考えるくらいの心のゆとりがあってもいいよね。

何をつくろか

まず最初に思いついたネタが、X68000の代表的なソフトをPC-6001に移植することです。
え、何言ってんのコイツと思われそうな妄想ですが、PC-6001には「タイニー移植テクニック」があるのです。つまり、どんな大作であってもタイトル名に「タイニー」を付ければ誰もが納得してしまう、そんなテクニックです。
例えば「タイニーグラディウス」とか「タイニーファイナルファンタジー」とかなら、グラフィックが物足りなくても速度が遅くても、なんだか許せてしまう雰囲気になるのです。(※1)

※1 タイニーという言葉をどうとらえるかは人それぞれですが、私はPC-6001らしさを表すとても良い意味の単語だと思っています。ばかにする意図はないです。

X68000の名作がP6でも動いちゃってるモンネーというのは愉快そうです。X68000のゲームで有名なものとなると、ジェノサイドやファランクス、魔神宮でしょうか。「タイニー魔神宮」なんてキャッチーじゃん!BASICでいいし!と思うのですが、このネタのギリギリ感を理解出来る人がPC-6001陣営どころかX68000組にも少ない気がします、ザイン。

そんな感じで、何を移植しようかなーとネットでX68000のタイトルを調べながらツイッターのTL眺めていたところ、「侵略!」の文字が目に飛び込んできました。2012年頃まだアニメイカ娘ブームの余韻があったのですね。・・・そっか、X68000のソフトをPC-6001に持ってくるより、積極的に侵略的な攻めの姿勢として、PC-6001のタイトルをX68000に移植して侵略すればいいんじゃね?と発想をひっくり返したのです。
PC-6001の雰囲気をX68000に持ち込むというよくわかんない移植ですが、これなら作業的にも趣味プログラムの範疇で無理がなさそうです。

移植するタイトルは・・・うん、PC-6001の代表的なソフトといえばタイニーゼビウスです。元々はアーケードの移植作ですが、PC-6001らしくアレンジされてますし、ネームバリューもあります。
移植作のタイトルは68秒だけ悩んで「タイニーゼビウスPRO68K」に決めました。

移植をするにあたっては2つの大きな問題がありました。

まず、タイニーゼビウスの内部的な作りがよくわかっていないことです。雰囲気移植(目コピー)でも充分だとは思ったのですが、グラフィックデータを目コピーするのは面倒ですし、グラフィックデータの吸い出すついでにマップデータの解析もすることにしました。

次の問題が、X68000での開発です。X68000は20年ほど前に色々といじっていたので、漠然と『68000アセンブラをHASとHLKを使ってなんかするんだよ』程度の記憶はあるのですが、スプライトコントローラのレジスタなどの資料を集める必要が出てきました。今の時代に68000アセンブラを書くのもなんですが、普段、PC-6001のプログラムを書くために使っているZ80に比べたら、豊富なレジスタと命令の直交性に優れている68000アセンブラは天国なはずです。
とはいっても、データやプログラムのタスク管理はC言語を使った方が断然ラクですし、タイニーゼビウスを動かすくらいであれば実行速度はそれほど必要じゃないので、GCCの開発環境を整えました。速度やファイルサイズに不満があったらコンパイラで生成されたアセンブラソースを手動で最適化すればいいですし。

なんでも世の中には、クロス開発できるX68000をターゲットマシンにしたGCCがあるようです。すごく興味深いのですが、開発環境上の問題にあたるのは避けたかったので、今回は充分に枯れているHuman68K上で動くGCCを使いました。

ざっと開発環境を説明すると、X68000エミュレータ上で動いているHuman68KにGCC環境を構築して、WindowsのドライブをHuman68Kから見えるようにWINDRV.SYSを使ってマウントして、Windows上でソースを書いてエミュレータでコンパイルしています。

資料集めですが、X68000でC言語による開発といえば、C MagazineでX68000のGCC言語でゲームを作る連載記事があったことを思い出しました。たしか、その連載をまとめたような本が出ていたような気がしたので検索して「GCCによるX680x0ゲームプログラミング」という書籍にたどり着き、さっそくAmazonで注文しました。書籍代は1円で送料の方が高くなるというよくあるAmazonっぽい本の買い方です。

その他は、昔から持っていた「INSIDE X68000」と「プログラマーのためのX68000環境ハンドブック」、それと、「ぷにぐらまーずまにゅある」を参考にさせてもらいました。

開発環境を整えながら、タイニーゼビウスのグラフィックデータとマップデータの解析を進めたのですが、ここでいきなり誤算が発生しました。タイニーゼビウスのプログラム解析作業が楽しくなってしまったのです。マップデータの展開ルーチンを読むにはスクロール処理や画像データの転送処理なども理解しなければならなかったのですが、その延長で他の処理も読みたくなり、結果的に、逆アセンブルした全プログラムを読み終えてしまいました。

当初の目的から外れた副産物であるタイニーゼビウスの解析結果は、@Hashiさんが執筆されているPC-6001の同人誌、PC6000NOTE No.5に収録されています。タイニーゼビウスの処理内容や様々な疑問点への解答など、一通り網羅しています。
現時点では通販はされていませんが、定期的にコミケやゲームレジェンドなどのイベントでTinyProjectというサークルとして頒布されています。→2015年にWebで公開しました。タイニーゼビウス 完全解析&解説

PC6000NOTE 同人誌

どう移植するか

タイニーゼビウス解析した結果としては、X68000への完全移植は無茶な課題だなと思いました。一般論というか常識として、PC-6001とX68000の大雑把な意味でのスペック比較はPC-6001 >> 越えられない壁 >> X68000なのですが、まぁ、そのへんの事はひとまず脇に置いておくとして、完全移植が難しい理由の一つが、PC-6001のタイニーゼビウスは同期を取らずに全力で動作しているという点です。

同期というのはテレビの垂直同期とか音楽の再生時間などですが、そういったものに依存せずに背景のスクロールやキャラクタの移動処理を常に全力で行っています。ですので、表示するキャラクタの増減、つまり処理量によってゲームの進行速度や音の再生速度が微妙に変化しているのです。これを再現するにはZ80のクロック数やPC-6001の各種割り込みタイミングを考えないといけなくなるのですが、こうなるとX68000上で動作するPC-6001エミュレータを作った方が手っ取り早くなってきます。ただ、X68000にはそこまでのCPUパワーはありません。コードコンバートしてクロック数を数えながら調整して動かすという方法もありますが、、その労力に見合わないネタ企画なので、雰囲気が似てれば細かいところはいいやと早々に割り切りました。

スプライトとBGを試す

X68000の特徴の一つはスプライトです。家庭用向けのパソコンにスプライトを搭載しているというのは今からみても尖った仕様ですね。シャープやるね!

ゲーム機ではなく、16bitどころか32Bitといわれてもおかしくない高価なパソコンに搭載されているスプライト機能ですから、タイニーゼビウスのキャラクタならゴッソリとキャラ定義できる、と思っていたのですが・・・X68000のスプライトって
定義できる数が足りない・・・なんてこと・・・。こんなんだっけ?
特にBG面への割当数制限が厳しいです。タイニーゼビウスのキャラクタ数くらいなら余裕と思っていたのに。
これなら、スプライトを使わないでグラフィック面に全部描画してもいいんじゃないかなーと思いました。処理速度は間に合いそうですし。
でも、せっかくのX68000のゲームでスプライトを使わないのも残念すぎるので、キャラクタ管理をするということで。XSPとかのスプライトドライバを使うことも考えましたが、そこまでじゃないかなと思ったので、それなりに自前で管理します。

画面モードの話

タイニーゼビウスの画面モードは256×192です。VRAM上のドット数は128×96なのですが、表示する時に拡大されます。
X68000でスプライトが扱える画面モードは256×256か512×512で、PC-6001横方向の解像度を収めるには512×512ということになるのですが、このモードだとドットが細かすぎるので、裏技的な384×256モードに設定します。この辺のCRTC設定値とかはネット上の資料がほとんどなかったのですが、X68000programing
というページに書かれていて助かりました。ありがたや。

CRTC周りの設定はアセンブラで記述して、ゲーム本体のC言語のプログラムとリンクしたかったのですが、えっと、C言語とアセンブラのコード呼び出しってどうやったっけ?というレベルから思い出しプログラミングです。最近では、アセンブラ混じりのC言語を使う機会はないのでしょうがないよね。

久々のC言語

マップなどのデータを外部ファイルに持ち、それらのファイルをメモリに読み込むのにfread()とかmalloc()といったCのライブラリを使う事には多少の抵抗がありました。というのも、昔、X68000のプログラムを書いていた頃はアセンブラを使っていて、DOS CALLかIOCS CALLが基本だったので、メモリや処理速度にオーバーヘッドのあるライブラリを使うのはやだなぁと。あと、当時はGCCのコンパイル速度が遅くて、X68000ではC言語自体が使いにくいなぁと。
今ではエミュレータのメモリを12M一杯まで載せて、MPU速度を無制限ぶんぶん回せばあっという間にコンパイルできちゃうのでラクラクです。

それにしても、平成が20年も過ぎるとさすがにC言語でmalloc()してメモリ確保なんていうプログラムを書く機会はほぼないので、懐かしさと自前でメモリ管理をする不安感とで不思議な感じがしました。

BG面を表示する

X68000の仕様を確かめつつテストプログラムを書いて、背景の表示とスクロール処理ができました。

capture0

楽しくなってきた!

グラフィック面を調べる

タイニーゼビウスの背景はBG面に描画しますが、タイニーゼビウスはX68000の384×256ドット上の320×192分しか使いません。BG面をスクロールさせる時に画面書き換えの一部が見えてしまうので、BG面の上にグラフィック面を乗せてマスクします。

X68000のグラフィックモードは512×512ドットの画面サイズだと65535色1面か256色2面か16色4面が使えます。今回は16色4面モードにして、そのうちのグラフィック1枚だけを使います。X68000はVRAMが512KByteもあるのに、今回は384×256を4bitカラーで使うわけですから使用するVRAMは48KByteです。なんというもったいなさ!余ったVRAMを作業用メモリとしても使えるのがX68000の使い勝手のいいところです。

しかし、PCGを使う場合は定義用のメモリが足りなくて困るのに、グラフィックでは余るんですよね。妙なバランスだなーと思いますが、メモリをやりくりする楽しさはあります。これがギガ単位のVRAMになるとノーミソ内だけでどうこうするっていうレベルではないですね。

それはともかく、このマスクを描画するために単純にVRAMを青色の単色で埋めてるわけですが、遅い・・・目に見えて遅いのです。なんかこう、BASICのPAINT文で画面を塗りつぶしてるかのような。単純にC言語のfor()で回して処理しているからしょうがないのかもしれません。ここで初めてgccの最適化オプションを有効にしたら、ちょっとはマシになりました。X68000にはVRAMの高速クリア機能とかあったような気がしますが使ってません。

capture01

画面は整ってきたけど、余白が多くてちょっと寂しい感じ。実際のPC-6001では余白部分の色は青ではなく緑っぽい色です。目視で描画ミスを見つけやすくするために開発中ではゲーム画面で使われていない色にしてあります。

スプライトの表示とキーボード&スティック入力

ここまで来たら、次はソルバルウを動かしたくなりますから、スプライトの表示とキーボードからの入力処理を実装しました。

capture02

これまでの準備期間に比べたら実にアッサリと実装できてしまったので拍子抜けです。キーボード周りはもう少し厳密に処理しないといけないかなと思う箇所もあります。例えば、X68000では、OPT.2キーを押しながら何かしらの別のキーを押すと専用テレビをコントロールすることが出来るので、その辺の除外処理を考慮しなければなりません。こういう細かいところは最後の段階でまとめて実装します(こういう作業が積もりすぎるとハマるんですが)。

PCGを入れ替える

この後は特に問題も無く実装作業が続きました。ちょっとだけ悩んだのが、やはりPCG定義数の少なさです。

タイニーゼビウスに出現するキャラクタで最大のものはアンドアジェネシスで、16×16ドットのパターンが縦横に6個で36個のキャラクタデータになります。タイニーゼビウスのアンドアジェネシスはファミコン版と違い、アーケード版準拠で背景と別れていて浮遊しています。
また、X68000の正方形ドットモードではBG面を1枚しか持てず、そのBG面は背景に使っています。となると、アンドアジェネシスはスプライトか、グラフィックか、テキスト面(X68000のテキスト面は16色限定でグラフィック面と同じように扱えます)のいずれかで描き、BG面の上にのせる必要があります。
グラフィック面は16色モードであれば4枚持てるので、マスク用の画像面とは別にアンドア専用に割り当てることもできるのですが、重ね合わせの問題があります。というのも、BG面の上にスプライト面があり、その上にグラフィック面という重ね合わせ順では、アンドアジェネシスをグラフィック面に書いてしまうと、アンドアジェネシスから発射されるスパリオがアンドアの下に隠れてしまいます。
となると、アンドアジェネシスの上に表示されるものをグラフィック面に描くことになりますが、まぁ面倒かなと。まだテキスト面が余っていますが、それはもっと面倒かなと。スプライトを使った方が断然楽なのです。

スプライトの表示数は問題ありません。X68000では最大128個のスプライトを表示できて、ソルバルウ、ザッパーが3発、敵キャラが最大で5機、スパリオが5発、バキュラが13枚程度としても、アンドアジェネシスに36個分のスプライトを使ってもまだまだ余裕があります。
その気になれば、「無理だ、こんなに表示できるわけがない!!」だって出来ます。

ただ、そのキャラクタ定義数の上限が128個で、トーロイドやらタルケンやら背景面のパーツやらで
かなりギリギリなのです。幸い、タイニーゼビウスでは敵キャラは画面上に1種類しか表示されないので(バキュラは別)、その都度、キャラクタ定義をし直せば(ゲーム中に差し替えれば)よさそうです。
このやり方の不安点は、アンドアジェネシスのキャラクタデータ36パターンを定義し直した際に処理落ちするのではないかということした。キャラクタデータの差し替えはテレビの描画タイミングを避けなければならず、その処理時間はあまり多くはありません。1キャラあたり128Byteで36キャラで4608Byteを転送しきれるかどうか実際に試してみたところ、最初に作成したプログラムではみごとに処理落ちして画面がちらついてしまいました。
めんどくさがらずにデータ構造を見直して転送方法も書き直したら若干マシになりましたが、それでも10MHzのX68000だと若干ですが画面がちらついてしまいます。まだまだX68000テクニックが足りてないのですが、そもそも、もうちょっとX68000のキャラクタ定義数が多かったらよかったのになーとは思います。

andor

音を出すよ

タイニーゼビウスの音の出し方は大きく分けて2種類あります。一つはBASICのPLAY文を使った曲の演奏で、もう一つがPC-6001に搭載されているPSG音源を直接操作した効果音です。BASICのPLAY文を使うといっても、タイニーゼビウスのプログラムはオールマシン語で、BASICのPLAY文の内部ルーチンをマシン語から呼び出して実行するという仕組みになっています。
PLAY文のデータはBASICからPLAY文を実行する時と同じものでMMLの記述形式になっています。PLAY”cdefgab”みたいなBASIC文法の引数そのままです。

X68000で曲を演奏するにあたっては、新たにミュージックドライバを作るのも面倒な話なので、既存のドライバで使い勝手のよさそうなものを調べてみました。

ZMUSICはドライバ自体のファイルサイズが大きくて重そうな印象が(最初頃のバージョンだけかも)。
MXDRVはお手軽そうですがX68000の音楽ドライバとしては初期のものなので、この際だから、新しいドライバがいいなーと探してみたところ、MCDRVが技術資料と一緒になって配布されていたので、MCDRVを使う事にしました。MCDRVはライセンス上の制限が非常にゆるかったというのもあります。もっとも移植したタイニーゼビウス自体を配布できませんが。

PC-6001のPLAY文の曲データをMCDRVのMMLに書き直すだけですから作業は簡単そうです。FM音源の音色をどうするかは効果音の出し方と一緒に調べることにしました。

PC-6001のPSGを直接操作して効果音を出す方法をX68000で再現するにあたって、X68000に搭載されている音源IC YM2151について調べたのですが、いやまぁこれがよくわからないのです。ネットにまとまった資料がないのですよ。アルゴリズム(こういう図)に辿り着くのも一苦労で。あるところにはあるというか、それこそ本家YAMAHAにFM音源の詳しい解説ページがあるという事をずいぶん後になって知りました。Google検索さんがんばれ。

結局のところ、YM2151については書籍のinside X68000の資料が一番充実してました。著者の桒野さんにはぜひ、outside X68000と共に電子書籍化して頂きたいです。

でも、資料を集めて読み進めてわかったのですが、YM2151の詳細機能は原則非公開なのですね。それで実際にYM2151のパラメータ(レジスタ)をいじってみたのですが、もしかしてYM2151って任意周波数の矩形波やら三角波を出せない・・・?ということに気がつきました(いまさら)。YM2151はなんでもかんでもサイン波で出すらしく、PSGみたいな矩形波三角波を直接出すことは出来ないようです。使い勝手悪し!やっぱPSG最高だな!
矩形波はサイン波の合成波で表せるじゃん・・・?とか考えましたが、面倒すぎるのでやめました。断続的にキーオン/オフを繰り返して矩形波を作るとか出来そうなんですが。あ、そういえばS44PLAYとかありましたね。

いっそのこと、効果音はすべてADPCMでいいんじゃね?と思ったのですが、とにかくPSG音を再現出来なくても雰囲気的に似た音が出ればいいという事にしました。YM2151はすばらしい音源ですが、自分の力量が足りないのですはい。なんというか、個人的にはX68000のジョイスティックポートに接続するAY3-8910ボードでも作った方がよっぽど楽だよ!とか思ったり。

音楽ドライバMCDRVの制御はC言語ではなくアセンブラで記述しています。68000アセンブラは10年以上使っていなくて、lea.lとmove.lとpea.lとか混乱もしましたが、書き始めると結構スラスラと命令が出てくるものですね。
ここでつまづいたのは、C言語からアセンブラへのデータの引き渡しとその逆のやり方です。
C言語のプログラムとアセンブラの組み合わせをするには、どういうやり取りが必要なのか忘れちゃってました。PlayStation2やPICやAVRの開発だとC言語&アセンブラという組み合わせをやったことがあるし、ネットで資料を探すと出て来るのですが、68000上でのやり方は資料が見当たらなくて。レジスタ引き渡しとスタック渡しの違いってなんだっけ。
これは探すよりも自分で調べた方が早いかなと思ったので、関数呼び出しをする単純なC言語のプログラムを記述しコンパイルして完成した実行ファイルを逆アセンブルしてパラメータのやり取りを調べました。
アセブラからC言語への戻り値はd0.l、その逆はスタックに積んでパラメータを受け取るみたいでいいようです。C言語からアセンブラに引き渡すパラメータ数が少ない場合はレジスタ経由でも渡せたような気がしたのですが、スタックで済むならそれでいいかなと。
アセンブラ側ではd0以外のすべてのレジスタを保持する為に、movemでレジスタをスタックに一括待避するのですが、これをやると引数格納先のアドレスがずれるんですけど、これってどうやって解決するのがスマートなのかわかってません。link/unlinkとかだっけ?

こういうC言語とアセンブラを組み合わせる作業をしてると、プログラムを書くということは、CPUのプリミティブな命令を実行する事なのだというのがよく見えてきます。C言語は古い言語で、私も普段はPHP、ActionScript、C#などを使ってゆるーくプログラムを書く事しかないのですが、低レベル言語にはそれはそれでコンピュータを直接触る楽しさがあると思います。仕事ではやりたくないですけど。

さて、これでビックリするほどあっさり曲が流れました。まずなにより、MCDRVの作者様に大感謝ですが、疑問点がいくつか。

曲の無限再生の方法がわかりませんでした。もしかしてできないのかな?ゲーム中のBGMを延々と流したい場合ですね。普通のゲームであれば、1曲が5分くらいで1面の長さが1時間くらいかかるゲームだとしても(グラディウスVとかそんなん?)、12回ループさせれば済みます。MCDRVでも最大で255回までループできるので、RPGで寝落ちしてもまぁ一晩くらい同じ曲をほぼ無限に再生させる事はできると思います。
ただ、タイニーゼビウスのBGM(ブーンっていう音)では、単発の短い音(1秒くらい)が延々と繰り返されるので255回じゃ足りないのです。
今回は、単発音をずらずらっと並べておいて、さらにそれをループさせるという方法で回避しました。なので、70分くらい死なずに遊んでいると、255回ループしてBGMが途切れます。短音だと288バイトの曲ファイルが、この方法だと2キロバイトにもなってしまってカッコワルイのですけど、いい解決方法が思いつきませんでした。
また、MCDRVには曲の終了などのタイミングでイベントが発生するので、それを利用する方法も試してみたのですけど、イベント発生時に呼び出される処理中に曲の再生を実行すると、さらにイベント呼び出しが発生して…と無限ループにおちいるみたいでうまくいきませんでした。

あと、mml変換をするmcc.xは曲の長さが70分を越えると総演奏時間が0秒に戻ってしまうとか、MAコマンドのエラーメッセージがMPと混ざってるとか振幅パラメータがマニュアルと違うとかあるのですが、1998年で更新が止まっているソフトの不具合報告を作者様にしても困ってしまうでしょうから、ここに止めておく話ということで。

で、結局、音周りはあまり時間をかけることが出来ませんでした。
特に、タイニーゼビウスではノイズ音を多用しているのですが、YM2151ではノイズが1つしかないので、アンドア出現時のノイズ音とブラスターのノイズ音が重なると片方が消えてしまって、これはイカンということで、結局、ブラスターの着弾音にはADPCMを使う事にしました。

音の出し方を試行錯誤しつつキャラを表示させたりして息抜き。

SOL

タイニーゼビウスのソルは勝手に生えてきます。

bacura

タイニーゼビウスのバキュラとグロブダはズッ友。

余白を活かす

PC-6001の実機画面では、上下左右に色の付いた余白が出来ます。PC-6001初代機のモード3では
緑か白、PC-6001mkII以降では黒色で塗りつぶされます。この塗りつぶし処理はVDG(VDP)が自動的に行います。

X68000の画面にPC-6001の画面を再現するとなると、同じように塗りつぶし処理を記述することになるのですが、言い換えると何を書いてもよいということになります。プログラムを書き始めた頃は、余白部分にスコアや残機を表示しようかなーと考えていたのですが、タイニーゼビウスでは、ゲーム開始前に軽快な音楽と共にスコアと残機が表示されるので、

intro

この上にスコアされたら妙です。だったらゲーム開始前画面の表示内容を変えてもよかったのですが、この手の改変作業を始めると、オリジナルを出来るだけ忠実に再現するのとは別のものになってしまいます。その辺は自重して元のゲームのシステムには手を加えない事にしました。

ただ、画面のどこかにPC-6001の文字を常に表示しようと思っていたので、

ILOVENEC6001

こんな感じに右下にゼビウスフォントで文字を描いてみました。オリジナルのゼビウスフォントってハイフン(マイナス)の文字がないので、自作(というほどの文字じゃないけど)しています。NECの文字が赤いのは経営が赤字だからとかでなくて、昔のNECのロゴは赤かったからですヨ!

もっとデカデカと左右に

デカモジ

PC-6001と表示してPC-6001を主張することも考えたのですが、ちょっと品がなさすぎなので自重しました。

ゼビウスフォントの表示はグラフィックRAMに書き込んでいます。グラフィックRAMを操作していて気がついたのですが、キャプチャ画面をよく見ると、BG/スプライト面の上に重ねているグラフィック面のマスクの最下段(=ゲーム画面の最下段)に黒いラインが見えていますね。最初は座標計算を間違えたのかなと思ったのですが、よくよく調べていると、グラフィック面のY位置が1ピクセルだけ上にずれていました。つまり、最上段が画面外にあります。386×256モードの画面設定で何かミスってるのか、それともそういうハード仕様なのかわかりません。XM6gでは発生しているのですが、WinX68K高速版では起きてません。実機だと最初は発生していなかったのですが、なぜか途中から発生するようになってしまいました、謎すぎる。ちゃんと調べてないのでわかりません。

エミュレータの妙な挙動といえば、XM6gで129個目以上のスプライトレジスタに書き込みをするとエミュレータ自体がフリーズします。メモリを壊してるのかな?Windowsのタスクマネージャから強制的に停止させてエミュレータを再起動したらディスクイメージが壊れてた、ということが何度かありました。

ただ、こういう細かい不具合を抜きにしてもXM6gがなかったら移植作業は進まなかったのでエミュレータ作者様には本当に感謝しています。贅沢を言えば、「MPUだけ最高速で動かす」をショートカットキーで切り換えられるといいなーと思いました。コンパイル時だけ高速化するのに便利なので。

初めての実機

開発作業の区切りのいいところで実機で実行してみました。さぁどうだ!

fault

なんたる無慈悲!エミュレータでは動くのに実機では動かないってデバッグが大変なパターンじゃないですかー。
セグメンテーションフォルトってどこのUNIXか!みたいな気がしますが、教えてくれるだけ親切ですね。GCCを使ってなかったら白窓バスエラーが表示されてたのかな。

この原因を調べる前に、XM6gだけでなくWinX68k高速版でも試してみたのですが、どちらのエミュレータでも問題なく動いたので、実機向けにデバッグ用のコードを埋め込んだプログラムを作って原因を突き止めました。
開発はWindows機上のX68000エミュレータで、エミュレータ内で生成されたファイルはWindows上のエクスプローラからもアクセスできるのですが、それを実機に持って行くのには実メディアを使ってのやり取りをしています。もうひたすら行ったり来たりの繰り返しでした。この辺、簡単にやり取りできる方法があればいいのですが、Nereidでnfsとかが簡単なのかな、誰かNereidください。

起動しない原因ですが、Human68K+command.x起動時の初期画面モードではスプライトコントローラのバスが切り離されているらしく、この状態ではスプライトコントローラ(シンシアさん?)にアクセス出来ないというものでした。もしかしたら十数年以上前に同じ経験をした経験があったのか、なんとなく怪しいところが直感的に閃いたので、問題箇所の特定にはそれほど時間がかかりませんでした。
メディアのコピーや実機X68000の再起動の待ち時間にiPadでツイッターを見始めて気がついたら時間が経過してたりとか、そっちの方がよっぽど時間泥棒。

画面周りの設定を済ませてからスプライトの定義を行うようにプログラムを書き換えたところ、起動時のエラーを切り抜けて無事にタイトル画面が出・・・

white

タイトルが真っ白に化けてるしー!まったくもってままならぬ!

この現象はXM6gでは出なかったのですが、WinX68k高速版では

bug

見事に色化けしたので、エミュレータ上で原因を追える分、原因追及作業はしやすかったのですが、問題解決は先のバスエラー以上に面倒でした。

色バケした色をみると、テキストプレーンに設定されてる色だとわかるので、これはテキストとBGとで共有しているパレット番号0番を使ってるということであって、つまるところ、パレット設定がうまくいってない、と気がつきました。
どうやら、スプライトコントローラには8ビット単位でアクセスしちゃダメというのが理由みたいです、たぶん。プログラムではC言語の共用体を使ってスプライトコントローラにパラメータを設定してるのですが、スプライトのパレットとキャラコードは同じスプライトレジスタに割り当てられていて、そこを8Bit単位で別々に更新しようとして失敗していたみたいです。スプライトコントローラに8ビットで書き込むと上位バイトが00hの16Bit値として書き込まれるのかな。

ファイルサイズ

ソースは混じりっけ無しの純粋C言語で4700行ほどでした。一通り実機で動くようになった状態での実行ファイルのファイルサイズは約55キロバイトです。曲データも内部に持っているのでちょっと大きめです。gccのデバッグ情報やシンボル情報は削ってあります。キャラデータやマップデータなどの外部ファイルは圧縮してなくてトータルで50キロバイトほどになりました。X68Kにしては少ないんだか多いんだかビミョーな。

source

libiocsをリンクしていますが、B_SUPER()とBITSNS()くらいしか使っていないので、これをインラインアセンブラに置き換えればlibiocsを使わずに済んだかも。同様にlibdosはデバッグとロードエラー時のprintf()だけしか使ってないので、これは完全に無くすことが出来ます。数値演算周りが手抜きなので、float2.xが必要っぽいです。
まだまだファイルサイズを縮める余地はあるのですが、そこにこだわる理由はないのでいいかなと。

当初は、プログラム本体のロード時やデータファイルの読み込み時にピーガッガーというBGMを流すつもりでいました。ただ、実機のフロッピーベースで動作させてみたところ、ロード時間が思っていたよりも短かったので、わざわざピーガッガーを聞くための待ち時間を組み込むのも本末転倒なのでやめました。あと、テープのロード音って、分かる人が聴くと『なつかしい!』と思ってもらえるのですが、それを知らないとテープのロード音ってタダのノイズでしかなくて、ADPCMが壊れたようにしか聞こえないかなと。プログラムがバグって変な音がします!ってアンケートハガキを送られても困ります。

あと、やりたかったけど技術的に出来なかったのが、Human68K無しの起動です。モトスとか超人みたいにIPLからゲームが起動しちゃうようなX68000の電源を入れた段階からまるでPC-6001が動いているかのように振る舞う、なんて事をしたかったのですが、どうやったらいいのかさっぱり。
たぶん、X68000のIPLはTrack0Sector1の512Byteを既定のアドレスに読み込むとかなんとかしてて、そこからディスク上のZ形式で作ったバイナリプログラムをIOCSを使って読み出して実行すればいいのかなーとか想像してるのですが、周辺回路の初期化とかがわからないので手を付けられませんでした、残念。実現するには音源ドライバも自作しないといけないですしね。

パッケージとフロッピーラベル

テキトーに。緑色が薄かったというか、うちのプリンタはカラーマッチングできてないのがよくわかりました。今年のエイプリルフールネタのゲームボーイツイッターに比べたら雑にちゃっちゃと作りました。

パッケージとディスク

完成したの?

現時点で未実装な箇所はエリア5以降のデータの入力と動作確認くらいで、プログラムはほぼ完成状態です。COPYキーやらインタラプトキー処理やら細かい未実装はありますが。

こうしてプログラムをちゃんと作っているのでフェイクではないです。ただ、著作権を考慮してプログラムの配布は絶対にしないと決めているので、それ故にフェイクプログラムだと言われても配布できない以上は証明できないですし、未完成でいいかどうかは自分の気持ちの問題だけですね。

何かしらのイベントであれば、たぶん、著作権法第38条の範囲で上映プレイする事はできるのかもしれませんが、そういう話が出たらPC-6001実機とデータレコーダとタイニーゼビウスのテープを持って行くと思います、P6erとして!

まとめ

移植作業終盤の実機バグ取りは大変でしたが、おおむね楽しかったです。

「最近、X68000界って何か話題あったっけ?」→「タイニーゼビウスが動いてるらしいぜ」→「PC-6001か!」という流れでPC-6001の事を思い出してくれる人が増えてくれるといいなと思います。

万引き少年ゲーム

2013年5月27日 月曜日

万引き少年ゲームについて、わかっている範囲でとりまとめてみました。

万引き少年ゲームの歴史については、bmfanさんのページにある、マイコンBMFANマガジン Ver.1.0の記事中にまとまっています。また、ALL ABOUT マイコンBASIC Magazineさんのページにも掲載プログラムの一覧がありますので、これらから引用させていただくと…

  • マイコンベーシックマガジン1983年10月号 「移植版万引少年ゲーム / HC-20」
  • はるみのゲーム・ライブラリー 「まんびき少年ゲーム / PC-6001」
  • マイコンベーシックマガジン1982年7月号 「移植版 万引き少年ゲーム / PC-6001」
  • ラジオの製作付録ベーシックマガジン82年1月掲載 「万引少年ゲーム / MZ-80K2/C/E」
  • 雑誌RAM 1980年2月号掲載「万引少年 / PET2001

という事になります。MZ版はRAM版を参考にして作成した事が記事中に書かれています。

雑誌掲載では、PET2001版の「万引少年」が最古なのですが、実は雑誌掲載よりも前に公の場で発表されています。

東大マイコンクラブ著, 集英社 / だからいまマイコンによると、1979年の東大駒場祭において、東大マイコンクラブが制作したゲームとして「万引少年」のタイトルで発表されたようです。「万引き少年」でも「万引き少年ゲーム」でもありません。翌年の駒場祭では「万引少女」というゲームが発表されたようです。こちらは音声合成でしゃべるゲームだったようですが、画面写真や動作機種などについての記述がないので、これ以上の事はわかりません。
だからいまマイコンに掲載されている写真では、PET2001ではなくCBM3032のようにも見えますが、写真が小さいのと、どのマイコンで万引少年が作られたのかは書かれていないので詳しいことは不明です。

1980年2月号のRAMにも同じような経緯が記事中に書かれていますので引用すると、

このゲームは、11月下旬に行われた東大駒場祭において、当ゲーム開発事業部企画「熱中時代・ゲーム編」に出品するために開発されたものです。

~中略~

また、駒場祭が終り、このゲームを『RAM』編集部へ持っていくと、その題名のあまりな不埒さに編集部の人がかなりビビッタようです。でも、何とかOKが出たので、掲載の運びとなったのです

ということですから、駒場祭が最初ということで間違いなさそうです。
記事中では、「あるメーカーから商品化される予定ですので、個人で楽しむ以外は一切の使用を禁止します」と書かれているのですが、実際に商品化されたかどうかはわかりません。

PET2001版万引少年

ちなみに記事のタイトルでは「万引少年」なのですが、RAM誌の表紙や目次では「PET2001 万引少年ゲーム」となっています。

開発元が東大マイコンクラブである事は、東大マイコンクラブのホームページ内のUTMC – 活動成果 – ソフトウェアにも書いてあります。

PC-6001にYM2203を追加する記事

2013年4月26日 金曜日

I/Oの1985年9月号に、PC-6001用のFM音源カードの記事があります。
ROMカートリッジスロットに差し込むカード上にYM2203を2個も載せるというものです。
回路図を引用します。

アドレスデコードがシンプル!
今となってはYM2203とYM3014を手配するのが難しいかな。矩形波音源でよければ秋月電子で取り扱っているYMZ294が安いので、2個といわずに4個ぐらいどーんと載せるのもありかもですね。発音タイミングがずれまくりそうですが。

ハードウェアはシンプルですが、この手のデバイスは音楽データがないと楽しめないので、曲データの作成の手間の方がかかりそうです。

PC-6001mkIIがテレビ地上波に登場

2013年3月2日 土曜日

NHKの番組 MAG・ネット 3月1日の放送では、ノベルゲーム特集の一環として、PC-6001mkIIとPC-8801mkIISRとX68000がテレビに登場しました。

番組の内容は、PC-8801mkIISRの実機&本物のフロッピーディスクで「東京ナンパストリート」を遊ぶというもので楽しかったですヨ。

映像信号を測る / PC-6001mkII RGB

2012年4月1日 日曜日

PC-6001mkII背面のデジタルRGB出力から水平・垂直同期信号を測定してみました。

PC-6001mkIIでは付属の取扱説明書にタイミングチャートが記載されているため、あえて測定する必要はないのですが、マニュアルと実測値が違うことはよくありますし、デジタルオシロで2チャンネル同時測定をしてみる題材として、あらかじめ数値がわかっている機材を使った方が都合がよいのです。

マニュアル掲載のタイミングチャートではこのようになっています。上図が水平方向の各種タイミングで、下図が垂直方向です。水平方向は64.696μs(15.457KHz)、垂直方向は16.688ms(59.922Hz)ということになっています。

PC-6001mkII描画タイミング

PC-6001mkII描画タイミング

タイミングチャートの水平方向の図では、水平同期信号がフロントポーチ・バックポーチで階段状に変化しているかのようにみえますが、実際には、TTLレベルで同期信号のパルスが負論理で発生するだけです。

mkII_Hsync

mkII水平同期信号

垂直方向も同様で、TTLレベルで負論理でした。同期期間もマニュアル通りです。

mkII_Vsync

mkII 垂直同期信号

水平同期信号と垂直同期信号を同時に測定したのがこちらです。2つの信号を重ね合わせると判りにくくなるので、垂直同期信号の電圧値を倍にして表示してあります。タイミングチャートによると、垂直同期信号の間に水平同期信号が262本あるはずです。

mkII 水平同期と垂直同期信号

mkII 水平同期と垂直同期信号

もうひとつ、垂直同期信号がActiveになった瞬間の拡大図です。垂直同期信号のパルス幅は水平映像信号3本分に該当していることがわかります。これもマニュアル通り。

mkII 垂直同期信号拡大図

mkII 垂直同期信号拡大図

これらの映像信号はmkIIのモードに関わらず一定です。PC-6001mkIIの垂直方向画素数はMODE1では192、MODE5では200ですが、垂直方向の走査線数は画素数に関係なく一定なので変化しません(Z80 BUSREQは別の話です)。RGB信号も併せて調べてモード別のディスプレイエリアを比較してみるとわかりやすかったかもしれませんね。
また、リセットボタンを押しっぱなしにしている時も同期信号は変化しませんでした。

PC-6001版フィッシング

2012年3月28日 水曜日

「フィッシング」というPC-6001用のゲームがあります。タイニーゼビウスやドアドアmkIIみたいなメジャータイトルではありませんが、私が個人的に好きなゲームのひとつです。パッケージ写真はこちら。

フィッシングパッケージ

マニュアルには“データイースト社から1982年に発売されたアーケードゲームの「フィッシング」を移植したものである”と記述されています。私はアーケード版のゲーム画面を今まで見たことが無く、海外のサイトThe Arcade Flyer Archiveでチラシを確認したぐらいです。ゲームの内容などについては@Hashiさんが作られているPC-6001同人誌のPC6000NOTE No.4で触れています。なんだか宣伝くさい感じの書き方ですがw

さてそのアーケード版ですが、なんと、デコカセ復活の一環として、@le_renard88さんがアーケード基板から録画したものをニコニコ動画にUpされました。

ちなみにPC-6001版の画面(エミュレータキャプチャ)はこちら。
PC-6001版フィッシング タイトル PC-6001版フィッシング ゲーム画面

@le_renard88さんことルドン ジョゼフさんは、NPO団体であるゲーム保存協会を立ち上げて活動されています。活動内容はニュース記事にもなっていますので、そちらをご覧ください。

レトロゲームは文化財?! 医師、オペラ歌手などが旧世代ソフトを収集・保存へ

PC-6001mkIIの映像って上側に寄ってる?

2012年3月12日 月曜日

PC-6001mkIIのビデオ出力端子からテレビに接続すると、表示領域(高さ200ドット分)が上に寄っているように感じます。接続先のテレビによって表示のされ方が違うようなのですが、私が所有しているテレビやハードディスクレコーダに接続した時、上下の黒い余白を比べると、若干ですが上に寄っているようです。

PC-6001mkII取扱説明書の資料7に詳細な画面タイミングが掲載されています。

PC-6001mkIIの画面タイミング

PC-6001mkIIのRGB出力は水平同期と垂直同期が分離しているので、それぞれの信号を取り出すのは簡単ですが、ビデオ出力では1つの信号線で2つの同期信号を正しく取り出せるように信号の流し方を工夫しなければなりません。その辺の説明はNTSCの解説書を読むかGoogle先生に聞くのがよいです。
このタイミングチャートをみると、垂直同期信号(V.SYNC)は3H、つまり水平映像3本分の長さになっています。ここだけみると、NTSCの垂直同期信号に似ていますが、それだけで同期がとれるものではありません。

まず、参考用にSONYのHDDレコーダーからカラーバーの映像を表示してみたものがこちらです。

HDDレコーダでカラーバー再生

NTSCをノンインタレースとしてみると水平解像度が262本(インタレースだと倍になります)です。厳密には0.5本目というのがありますが省略します。そのうちの20本(21本かも)はブランキング期間として画面には映らない信号になりますから、映像としてテレビに映るのは242本です。
DVDビデオはノンインタレースの場合、縦方向には240本の映像信号を持っているので、テレビ上での2本分は使われません。この2本の扱いはDVDプレイヤーによると思いますが、きっと240本の映像領域の上下に各1本分の黒い線を表示してると考えるのが妥当でしょう。
まとめると、DVDに含まれる映像が240本、未使用が2本、ブランキング期間20(21?)本で合計262本の走査線になります。
ブランキング期間20本には垂直方向の同期信号が含まれていて3本分です。また垂直同期信号の前後には各3本の等価パルスというのがあり、合計すると20本中の9本が同期信号として使われることになります。残りの11本は空き時間です。文字放送の情報が入ったり、コピーガード信号が入ったりします。
ブランキング期間20本のあとにテレビに映し出される映像信号が流れます。今回の例だとカラーバー映像です。図に赤い文字で15Hと書いてあるところからが映像信号で、1本目は余りの黒いラインだと思われます。その次の走査線からがカラーバー模様の信号です。信号の後ろの方は測定出来ていませんが、きっと240本分のカラーバー信号が並んでいて、そのあとに余った黒いラインが1本分だけあるはずです。
文字の説明ばかりで書いてる方もわけがわからなくなってきましたが、重要なのは「垂直同期信号から数えて15本目からテレビに映る映像が開始する」ということです。

さて本題のPC-6001mkIIのビデオ出力です。SCREEN3,2,2のあと、カラーコード15(黄色)で画面全体をPAINTした状態です。
mkIIビデオ出力信号

なんでしょうこれ、よくこれで同期がとれるなぁと思いますが、取扱説明書のタイミングチャートの通りです。3本分の同期信号のあと、30本分の空白時間があって、それから200本分の画面が描画されます。200本というのは、PC-6001mkIIの縦方向解像度200ドットからきています。この映像信号がテレビに入力されると、テレビは次のように解釈します。
3本分の垂直同期信号のあと、水平映像15本分を待ってから映像を表示し始めます(本来、この15本の先頭には3本分の等価パルスが必要ですが、PC-6001mkIIは等価パルスを出さないようです)。図の最上段と書かれているところから映像を表示し始めるということです。視覚的には最初の15本は真っ黒で、そのあと黄色のラインが表示されていきます。黄色のラインは200本あるはずですね。PC-6001mkII映像タイミングチャートと照らし合わせると、このあとは29本の空き水平ラインがあるはずです。

テレビの表示領域は242本で、PC-6001mkIIは200本分の表示ですから残り42Hです。最上位段の走査線位置から表示領域開始まで黒い映像が15本分があり、これが画面上部の余白領域になります。黒い場合は余黒とでもいうんでしょうか。
残りは42本-15本=「27本」で、これが画面下部の余白領域になります。比べると下の方が広いですね。これで画面上部の余白が15本、下部の余白が27本ですから、12本の差になります。12本、つまり12ドットですから、スクリーンモード1の文字1個分以上の高さに該当します。いまどきの液晶テレビだと縦方向解像度が広く引き延ばされますから、それだけ表示した時の差が広がっていきます。

まとめ

・・・という考え方で正しいと思うのですが、間違っていたらゴメンナサイということで。

さて、このようなPC-6001mkIIから出力される映像信号でよく同期がとれるなぁ思いますが、実際、私が所有しているPanasonicの液晶テレビではかなりの確率で同期が取れません。その様子をデジカメで納めたものがこちら。

mkII同期合わないよー


スクリーンモード3でカラーバーを描いてあるのですが、常に上へとスクロールしています。横方向にもうねうねしています。
画面の中央にある細くて深い黒色の帯の箇所が垂直同期信号に該当する箇所だと思われます。その前後の黒い箇所の高さ幅はほぼ同じで、これがタイミングチャートの余白部分30H,29Hかなと。この状態でしばらく放置しておくと同期が合うこともあります。
私が所有しているSONY製のHDDレコーダーでは一発で同期が合い、レコーダーからの映像出力を液晶テレビに入れると問題ないので、録画用途も兼ねてレコーダーを経由するようにしています。

ついでに補足しておくと、一般的な家庭用テレビではオーバースキャンにより、映像規格上の領域よりも表示領域が狭くなります。昔のブラウン管は隅っこの方が丸っこくて映像が伸びてしまうので、その箇所にテレビの枠を付けて隠していた・・・と聞いたことがありますが、ホントかどうかは知りません。その名残は今の液晶テレビにもあり、表示領域の縁の部分を画面外に表示するようになっています。Google検索キーワードとしては、「オーバースキャン」「アンダースキャン」です。パソコンで640×480ピクセルをフルに使い切った映像を作成して家庭用テレビ出力すると隅っこの方が表示されない事がありますが、これが原因です。

では、RGB出力だとどうなんだろう、やっぱり上寄りなんだろうか?というのが次の疑問ですが、専用モニタが手元にないため確認できないのでした。

長野市少年科学センターに行ってきた

2011年11月6日 日曜日

PC-6001mkIISRが自由に遊べるように設置してあることで有名な長野市少年科学センターに行ってきました。実家が長野市少年科学センターの近くなので、年に一度は訪れているのですが、今年に入って展示内容のリニューアルがあったようで、PC-6001mkIISRが撤去されていないか不安だったのです。

PC-6001mkIISR3台展示PC-6001mkIISR 展示

見ての通り、PC-6001mkIISRは健在でした。ただ、残念な事に以前は4台あったものが3台に減っていました。でも、PC-6001mkIISRは1984年発売で既に25年以上が経過していますし、子供が自由に触れるような状態で設置してあるものが3台も並んでいるというだけで奇跡だと思います。

こちらは同じ場所に展示してあるPC-8801(FA?)です。

PC-8801

そして長野市少年科学センターの入り口にはリボンちゃん。某所のリカちゃんに似てるような気が。

リボンちゃん

PC-6001A

2011年3月6日 日曜日

海外(アメリカ?)で発売されていたPC-6001A(またの名をNEC TREK)をretropc.netのえらいひとから借りることができたので、とことん調べてみました。

PC-6001A背面

背面写真をみるとMADE IN JAPANと書かれているので、生産自体は日本で行われていたようです。

PC-6001A内部

一番の違いはキーボードの作りです。形状はもちろん、キーのタッチ感が全く違い、とても打ちやすくなっています。また、「かな」キーは「ALT CHAR」になっています。

CPUやメモリといったハードウェア周りは、使われている半導体の型番まで日本のPC-6001と同じでした。細かい動作までは確認していないので、もしかするとWAIT信号の入り方やCPUクロックが違ったりするのかもしれませんが未調査です。内部の作りは日本版よりもシールド周りがしっかりしていてキーボード、RF出力周り、スピーカのアースがとられています。

BASIC ROMを吸い出して日本版PC-6001のROMと比較してみたところ、プリンタ周りのひらがな・カタカナの処理が少しだけ変更されていてあとはまったく同じでした。

ひらがな・カタカナが無い分、内蔵フォントが大きく変わっています。実機から出力した画像をtwitpicにアップロードしてあります。

画像アップロードのテスト

2009年3月29日 日曜日

Z80ファミリ・ハンドブック

たまたま?机の上にあったZ80ファミリ・ハンドブック。

これに変わるZ80の解説書はないと思うんですが、絶版らしいです。1冊持ってれば充分なのですが、使用・保存用・布教用それぞれ2冊は必要だな!とか言いたいのではなく、紙質があまりよくないので、だんだんと茶色味を帯びてきていて、夏休みあけの中学生が茶髪にしました風になりつつあるのです。

ちなみにAmazonにありますが、出品者ちょっとその値段はないだろう的な価格。数年前に神保町の明倫館書店で見かけた時は5000円くらいだったかな、よく覚えていませんが、あの時に買っておけばよかったなぁと、お店に行くたびに後悔します。

私の手元にあるのは、初版第10版ですが、何ヶ所かミスがあることをZ80師匠に教えてもらいました。例えばP27の図28にM1が記載されていない、P29のHALTからの脱出条件にRESETが入っていない(当たり前だけど重要)、P31の^WR等々…。

あぁ、ただの画像アップのテストだったのに、つい長々と書いてしまった。WordPress上の画像表示についてはLightBoxを使うかどうか悩みどころ。あれ、間違えてブラウザを閉じちゃう事があるんだよね・・・。