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CF(Compact FLASH)をX68000へSCSI接続 [2007/12/23]
X680x0のHDDはSCSI規格なので、今時のIDEやらS-ATAといったHDDは接続できません。 また、今時のSCSI HDDはX68K時代の規格と微妙な互換性の問題があり、そのままでは使えません。 さらに、Compact系のX68Kでは2.5inchのSCSI HDDを採用していました。 つまり、X68KのHDDは、いつ壊れてもおかしくない、壊れたら修理できるものではない、手に入りにくい、という問題を抱えているのです。
というわけで、手遅れにならないうちに対処しておこうと情報を集めてみたところ、2つの方法にたどり着きました。 CFは書き込み回数に上限があるので、HDDとは別の製品寿命があるのですが、それはそれで興味があったので モーターレスなCF+変換器という構成で試してみることにしました。
まずは変換器ですが、ARTMIX.COMさんで取り扱っている STRATOS / CF PowerMonsterを取り寄せてみました。また、 この変換器はCFを2.5inch規格のSCSIコネクタに変換するため、 3.5inch SCSIに変換するSCSI 2.5inch->3.5inch変換アダプターも 合わせて購入しておきました。



SCSI IDの設定は、2.5inch->3.inch変換アダプター上のジャンパスイッチで可能です。説明書には「出荷時にはID3に設定されています」と 書かれていたので鵜呑みにしたのですが、実はID7になっていました。ID7といえばX68K本体のIDですから、みごとに衝突して、 起動せずに故障か相性問題かで数分ほど悩んでしまいました。

CFは部屋に転がっていたGREEN HOUSEのGH-CF128MAという製品で128MBの容量です。いつの製品だよ!っていうくらい古いものですが、 この容量のCFなんて使い道がないのでちょうどいいくらいです。いまならもっと大容量のCFを安く購入することが出来ますが、Human68Kでは あまり大きいHDDを扱えませんし(1Gぐらいまででしたっけ?)、手元にあるMDXやPDXをかき集めても100メガにもならないので充分でした。 気になるのは、CFの読み書き速度ですが、まぁ、これを使って致命的に遅かったら高速なCFを買ってきて比較すればいいかなと。 X68Kの場合、インタフェースの速度に足を引っ張られるんじゃないかなという予想もあるので。

さて、いきなりX68K本体内に組みこむのも不安だったので、外付けのSCSI HDDを分解し、そこにCFと変換器を組みこんでみます。



ちょっと困ったのが、2.5inch->3.inch変換アダプターのねじ穴の位置が一般的な3.5inchHDDのねじ穴の位置とは違っていたということです。 もともとこのアダプターは古いMacintoshのノート(PowerBook)用みたいなので、それに合わせてあるのでしょうか。 ちょっと無理があったのですが、それでも2箇所ほどネジ位置が合ったので、それで固定しました。CFなのでモータ駆動の振動はありませんし。

ここまでくるとあとは元々のX68K内蔵HDDかFDDからOSを起動して、format.xからフォーマットすれば完了です。 X68K上からは122MのSCSI ID6のハードディスクとして認識されていますね。



X68030 Compactに外付けHDDとして接続してベンチマークを取ってみました。まずは、デバイス情報。
SCSI ID               :0
Number of blocks      :337056
Size of block         :512
Capacity              :172572672
Peripheral device type:Hard disk
Removable disk        :No
Device type qualifier :00
ISO Version           :0
ECMA Version          :0
ANSI Version          :1
Vendor unique         :00
Vendor identification :FUJI    
Product identification:FK204S          
Revision level        :2.10
Extended vender unique:

SCSI ID               :6
Number of blocks      :250368
Size of block         :512
Capacity              :128188416
Peripheral device type:Hard disk
Removable disk        :No
Device type qualifier :00
ISO Version           :0
ECMA Version          :0
ANSI Version          :2
Vendor unique         :00
Vendor identification :WORKBIT 
Product identification:CATS-3          
Revision level        :1.10
Extended vender unique:
ベンチマークの結果。ありゃ、dskbench.xって書き込み速度は取れないのね。
[内蔵HDD]
  Initiator is ID7     : SHARP   X68030          000A
  Target device is ID0 : FUJI    FK204S          2.10
  512 Bytes per sector, capacity is 164 Mbytes.
------------------------+-------------+-------+-------+-------+-------+-------+
        Test mode       |    result   |  Poor |   OK  |  Good | Great | Superb|
------------------------+-------------+-------+-------+-------+-------+-------+
 Test unit ready command|    0.5[ms]  :*********************************
 No motion seek command |    0.8[ms]  :*******************************
------------------------+-------------+-------+-------+-------+-------+-------+
 Sequential seek command|    4.5[ms]  :***********************
 Random seek command    |   20.7[ms]  :********************
------------------------+-------------+-------+-------+-------+-------+-------+
 Seq. read    512B/read |  157.0[KB/s]:****
 Seq. read  16384B/read |  553.6[KB/s]:************
 Seq. read  65536B/read |  678.4[KB/s]:**************
------------------------+-------------+-------+-------+-------+-------+-------+
 Rnd. read    512B/read |   16.0[KB/s]:*
 Rnd. read  16384B/read |  291.2[KB/s]:**********
 Rnd. read  65536B/read |  524.8[KB/s]:******************
------------------------+-------------+-------+-------+-------+-------+-------+

[Compact FLASH]
  Initiator is ID7     : SHARP   X68030          000A
  Target device is ID6 : WORKBIT CATS-3          1.18
  512 Bytes per sector, capacity is 122 Mbytes.
------------------------+-------------+-------+-------+-------+-------+-------+
        Test mode       |    result   |  Poor |   OK  |  Good | Great | Superb|
------------------------+-------------+-------+-------+-------+-------+-------+
 Test unit ready command|    0.2[ms]  
内蔵HDDより若干速い程度ですが、X68Kとしては充分満足できる速度です。

こうしてX68K上でフォーマットされたCompact FLASHですが、これをWindows上で認識することは出来るのかというと、 USBタイプのカードリーダーにCompact FLASHを差し込み、 DiskExplorerというソフトから 物理ドライブのPHYSICALDRIVE1を開くことでファイルを読み取ることが出来ました。ただ、私の環境では書き込みができませんでした、残念。 また、CFをWindows上でFAT形式(FAT32もNTFSでもありません)でフォーマットし、SUSIE.Xで読み書きすることができました。 この場合、このCFから起動することが出来ませんけど。 こういったCFの物理的な移動でのファイルのやり取りは便利ですが、X68K本体に内蔵できなくなっちゃいますね。

それから参考までに、IDE 2.5inch HDDをSCSI2.5inch HDDに変換する変換器はPowerMonster RXという製品です。

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