テーブル筐体をペーパークラフトで作ってみた

ペパクラデザイナー3+六角大王SuperLEでモデリングし、ペーパークラフト用に印刷したテーブル筐体を組み立ててみました。

モデリング

ペーパークラフトを作った経験はそれほどないですし、この縮尺のペーパークラフトにチャレンジするのは初めてなので、あまり参考にはならないかもしれませんが、実際に作ってみてわかったことを書き連ねてみようと思います。今回の記事は色気を出してアフィリエイトだらけでちょっと見苦しいですw

ペーパークラフト完成写真

これを完成させるまでに使った道具はこちらです。

工具

これらの道具の用途を説明をする前に、そもそもなぜこれらの道具が必要なのかを話したいと思います。

小さなサイズのペーパークラフトを綺麗に作るためには「ズレの無い綺麗な直線」で紙を切り取る事が最も重要です。ズレというのは切り取り線から実際に切った箇所とのズレの事です。紙に印刷されている切り取り線の通りに切り取るのが理想ですが、実際に切り取ってみるとズレます。具体的にどれくらいズレちゃダメなのかというと感覚的には0.2mm以下ならいいかなと思いました。世の中の大抵の定規は1mm幅でしか目盛りがありませんし、中学/高校でも技術的な授業や部活に参加しないと1mm未満の長さを扱うことはほとんどないのですが、1mmって結構、太いんですよね。もっと義務教育の段階で1mm未満の世界を体験する機会を増やした方がいいんじゃないかなーと思うくらいに。

話がそれてしまいましたが、この小さな数値をうまく扱うには、それなりの道具が必要なのです。例えば紙を切るにはハサミでもいいのですが、ハサミを使って紙をまっすぐ切るのは結構難しいです。また、ハサミ自体がジャマで手元が隠れてしまい、切り取り箇所がよく見えなくなります。カッティングマットを使わずに厚いダンボールや古雑誌の上で切り取る事もできなくはないのですが、ダンボールや雑誌の紙にカッターの刃がひっかかって思わぬ方向にカッターが動いてしまいます。
良い道具を使うとそれだけ良い結果に結びつきます。もちろん道具を使いこなせるかどうかも大切ですが、ペーパークラフトの場合、質の良いカッターとのりと定規を使いましょうという話で、使ったことの無い未知の道具に慣れる必要はまったくありませんから、道具を変えるだけで目に見えてよくなります。

さてそれぞれの道具についてざっと説明していきます。

■ のり

ペーパークラフトを作るのならボンド ペーパーキレイが断然オススメです。伸ばしやすく乾きやすく乾いてもくっつきやすく乾くとほぼ透明になり、それでいて接着力が強力です。

■ カッティングマット

力を込めて紙を切ってもマット自体はほとんど痛みませんからとても便利です。中途半端なサイズのマットを買うよりも大きめのマットを常に机の上に置いておくとジャマになりません。机も傷みませんし。

■ デザインナイフ

一本持っておくと何かと便利です(職質されるとアウトなので持ち運びはしない方がいいと思いますが)。色々な種類があり、どれが自分の手になじむかは実際に使ってみないとわからないものなので、どれが良いとはいえませんが、ただ、「紙を1枚だけ切れるカッター」はペーパークラフトには向いていません。デザインナイフで紙を切る時にひっかかる感じだしたら即座に刃を交換した方がいいです。ペーパークラフトを作る場合は刃の先端先しか使わないのでもったいないのですが、切れ味が落ちたカッターで紙を切ると切断面がボロボロと汚くなります。

■ 金属製の定規

プラスチック定規はやめておいた方が良いです。というのもデザインナイフの切れ味はハンパないのでプラスチック定規にナイフをあてて紙を切ると間違いなくプラ定規側を削り取ることになります。そうなってしまったプラスチック定規はまっすぐな線を描く事もできなくなってしまいます。定規には紙をまっすぐ切るためだけでなくマットと定規で紙を挟んで固定するという役割もあるので、長めでちょっと重いくらいの方が使い勝手がいいです。ハイパーオリンピックにも使えます。

■ 色々なのりを伸ばす道具

クリップの先にのりをつけたり、紙の貼り付け位置を細かく調整するのに使います。のりはけちらずに小まめに拭き取りましょう。マイナスの精密ドライバも同じようにのりを広く伸ばしたり余計なのりを紙から拭き取るのに使います。

■ 紙

インクジェットプリンタ用紙にも色々あって、その中にはペーパークラフト向きなんていうのもあります。

今回はこれを使ってみました。ちょっと印刷ムラが出やすいのと、紙を小さく切り折りしてると紙が薄く2つに分離しやすい(紙自体が3層になっているようです)ですが、ほどよい厚さでしっかりしていて扱いやすかったです。

印刷してみた

さて、これらの道具を駆使して、紙を切って貼り付ける作業をすれば完成です。コツとかは実際にやってみると身につくので説明するものでもないのですし、紙なので失敗したらまた印刷すれば済む程度でダメージは少ないと思います(インクジェットのインクが高いですけど)。丁寧に集中力と手を抜かないように作業するためにどうするかで完成度に差が出ます。例えば、こういう角の部分の切り込みが甘いと…

切れてなーい

このように切り離れない状態になることがよくあります。ここで手を抜いてえいやっと紙を引っ張ると、紙がちょろっと残ってしまい綺麗にみえませんし、そこにのりが着くと他の箇所に張り付いてしまって大変な事になるので、丁寧にカッターの刃を入れて切り取るようにします。また、カッターは常に手前にひくように動かし、紙の方をクルクルと回すようにします。カッターを横に動かすのはやめましょう。それと、紙の上に定規を置く時は紙をこすらないよう注意しましょう。印刷された場所がこすれてインクが削り取られてしまいます。

それから、紙には長く触らないように気をつけた方がいいです。インクがのっている場所に長く触れるとインクがにじみますし、のりを付ける時に紙を長く持っていると紙がたわみます。

最初、制作道具のひとつとして黒と茶色ペンも用意しました。白い紙の上に印刷された箇所にはインクがつきますが、もともと紙自体の色は白いわけですから、切断面は白くなります。紙の厚さ程度の切断面なんてたいしたことないように思えますし、具体的な数字でみても紙の厚さは0.21mm程度なのですが、これが思いのほか目立つのです。更に、貼り付けた面と面の間にはちょっとしたスキマが空いてしまうので、より白さが目立ちます。

白いね

この白い部分を黒ペンで塗るとごまかせるわけですね。それを何度か試してみたのですが、最終的には塗らないことにしました。というのも、プリンタでの印刷時のインクの色とペンの違いが気になるのと、紙にペンのインクをしみこませていると紙がふにゃっとした状態になってしまって、かえって見栄えが悪くなってしまうのです。それに、この白い面があったほうがなんだかペーパークラフトらしく思えるかなと。
それでも着色してみたい場合には、ペンでぐりぐりと塗るのではなく、紙にペンをあててインクを染みこませるとよいですヨ。

ここから先は雑談です。

今回のペーパークラフトでは実際のテーブル筐体の1/12で印刷してみました。六角大王SuperLEのモデリングデータ上で存在するパーツを全て印刷してみたみたところ、ペーパークラフトでは小さすぎて再現できない箇所がいくつかあります。特に半径1.5mmの球を作らなければならないレバーが無理でした。ボタンの方は薄い紙を貼り付けるだけで雰囲気が出るのですが、レバーの先端のボールはうまく再現出来ていません。小さく切った紙とのりをこねくり回してると、まるで紙粘土のようになってしまうのです。

1/12にした理由はFigmaの縮尺が1/12なので、テーブル筐体で遊んでいる様子を再現できるかなと思ったからです。ですが、これがまた大変でした。というのもFigmaは結構自由にポーズをとらせることができるのですが、綺麗なポーズで椅子に座らせるのが難しいのです。これはたぶん、Figmaで遊んだ人は誰もが経験した事だと思います。椅子に座らせるのが難しい理由は2つあります。一つ目は腿(足)を手前に出せないからです。例えばfigma 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 高坂桐乃の場合、

足を手前に伸ばそうとするとスカートにひっかかってしまうのです。ミニスカートなFigmaだとスカートの端の部分が椅子に立つ感じで載せることが出来るようですが、テーブル筐体とセットで座らせるには腰と太ももとヒザが出来るだけ90度に近い角度で曲がって欲しいので、スカート系キャラは選択肢から除外しました。

そうなると、非スカートのFigmaの中から選ぶことになります。例えば、figma とある魔術の禁書目録II インデックスの場合、

スカート?法衣?の手前部分が布なので足を前に出せそうに思えるのですが、ここで第2の問題であるオシリ側のパーツで悩むことになります。これはどういうことかというと、オシリの部分のパーツがジャマをして椅子に座らせることが出来ないのです。固いスカートはもちろんですが、マントとかヒラヒラっとしたパーツが後ろ側にあるとダメなのですね。
こうなると選択肢はほとんどなく、理想的にはfigma うる星やつら ラム

なのですが、買うにはちょっと高めの市場価格になっていて、ペーパークラフトと組み合わせるには高すぎる買い物かなーと。

そんなわけで、お手頃価格なものを探して見つかったのがfigma 初音ミク Append ver.でした。

この日記を書いてる時点だと値段が高めですが、私が購入した時はもっと安かったです。ただ、このミクFigmaでも、足を90度の角度で椅子に座らせるには腰のパーツがジャマでした(後ろの長い髪は付け根から動かせるようになっています)。 また、テーブル筐体で遊ぶ時の基本姿勢は前傾なのですが、Figmaは足の付け根は動いても腰は動かないので前屈み姿勢をとらせることができないようです。

ルービックキューブ

今考えると、こういう

大きめのドール素体にすればペーパークラフトも大きくできたので、こっちにすればよかったのかな。
あと、もう少し、女性キャラではなくてゲーセンで遊んでいる高校生男子っぽいFigmaがあればあればなぁと思いましたが地味すぎて売れないかw

さて、実際にFigmaミクをゲーセン椅子に座らせられたかというと・・・失敗しました。ここまで考えたのが無駄になってしまった理由ですが、なんと、足が長すぎたのです・・・。モデル体型の人はテーブル筐体で遊べないの・・・?しょうが無いので撮影の角度とかで誤魔化しました、ぐぬぬ。

WITH_M ゲームやってる風

さて、六角大王SuperLEで作成したモデリングデータですが、ameroadで200円で販売してます。

ameroad / 六角大王Super用アーケードゲームテーブル筐体データ

他の形式に変換してMMDで使うとか、3Dプリンタで印刷してみるとかいいんじゃないでしょうか。六角大王SuperLEは6KT形式しか出力できないため、LEではない六角大王Super6 Win版を持っていないと他形式に出力変換出来ないのという制約があるので注意してください。
一応オマケでペーパークラフト用の画像データもいれてありますが、あくまでもオマケですので作り方のマニュアルはありません。完成写真から想像しながら楽しんで作ってみてください(大人の事情でゲーム画面部分とインストラクションカード部分は真っ白くなっています)。

※データの配布規定ですが、オリジナルのファイルを変更すること無く配布するのは遠慮してください。改変したデータであれば無償/有償に関係なく配布してもらって構いません。このモデリングデータはペパクラ目的ということもあって、細かいところは雑ですから、作り込んでもらえるとうれしいです。頂点データの位置をちょびっと動かしただけのデータでも無料配布してもいいの?という疑問が出てくると思いますが、そのへんは利用する方の良識の範囲内でお願いします。

このペーパークラフトはすごく細かい作業が必要な作りになっています。もっと作りやすいゲーム筐体のペーパークラフトをコミケやゲームレジェントなどのイベントで頒布/販売されてるサークルさんがいらっしゃいますので、そのうちテーブル筐体が出て来るかもしれませんから、機会があったら足を運んでみるのをオススメします。

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