映像信号を測る / XBOX360コンポジット信号編

ゲーム機の映像同期信号ってよくわからなかったので、じゃあ調べてみればいいじゃんと思い、比較的安価なデジタルオシロスコープを購入したので測定してみました。オシロスコープの扱いに慣れてないのと、映像信号の仕組みがいまいち把握出来ていないので、「間違ってる!」という箇所があったらツッコミお願いします。

まず、Adobe Peremiere Proの素材にあるカラーバーを使って、Adobe EncodeでDVD VIDEO化しました。RGB映像信号を映像信号に置き換えるにはRGB値の範囲の扱いが厄介で、スーパーブラックだとか、0-255なのか16-235なのかとかありますが、その辺は機材から出力される映像信号を見て、その都度判断することにしました。

XBOX360のコンポジット映像信号(黄色ケーブル)をテレビに接続して、先ほど作成したDVD VIDEOをXBOX360で再生してみます。テレビから映像ケーブルを取り外し、映像信号の信号-GND間を75Ωの抵抗で繋げた箇所をデジタルオシロで測定してみました。なぜ75Ωの抵抗を入れたのかというと、実はよくわかっていません。色々な書籍を読むと、NTSCの受け側は75Ωの抵抗を入れると書いてあったので、じゃあ入れてみようかなと。実際に75Ωの抵抗を入れて測定すると映像信号の最大値が1Vに収まるので正しいような気がします。
ちなみになぜXBOX360なのかというと、XBOX360のD端子ケーブルはコンポジット映像端子とセットになっているからです。PS2/3のコンポジットケーブルは購入した時についてきますが、今時なら真っ先に処分するケーブルですよねー。あと、DVDプレイヤーというかハードディスクレコーダも手元にあるのですが、オシロのプローブの当て方をミスって壊しちゃったら悲しいので、ある意味、XBOX360は実験台にされたともいえます。

まずは、水平同期信号から。

XBOX360コンポジット水平映像信号

同期信号の電圧レベルはほぼ0Vで、輝度の高い黄色の映像信号は1Vでした。コンポジット映像信号の電圧幅は0-1Vになるようです。その他の水平同期信号の幅や走査線一本分幅はNTSCの規定値と同じでした。

続いて垂直同期信号ですが、XBOX360はインタレース表示を行うので、2種類のタイミングがあります。まずは最初のフィールドから。奇数ライン側。

XBOX360コンポジット垂直同期信号 奇数ライン

この辺の信号もNTSCの規定と同じでした。垂直同期信号は水平映像3本分の時間幅があり、その間に6本のパルスが含まれています。等価パルス後期間にあるパルスも6個あり、6個目のパルスのあとに次のラインの映像信号が出てくるのですが、その境目をみると奇数ラインなのか偶数ラインなのか判別できます。この画像のように、6個目のパルスの後に続けて次のラインの水平同期信号があるのが奇数側の映像です。

注目点は、等価パルス前期間よりも前にある映像信号です。前のフィールド、つまり1つ前の映像の最下段にあたる偶数ラインの映像信号なのですが、1ライン分の時間幅があることが確認できます(キャプチャ画像だと前の方の同期信号部分が切れてしまっていますが)。

続けて偶数側フィールドの垂直同期信号です。

XBOX360コンポジット垂直同期信号 偶数ライン

等価パルス前期間の前にある信号は、同じ映像の奇数側ラインの最下段の映像信号なのですが、これが0.5H分しかありません。つまり、ラインの途中で映像が途切れているのです。奇数側の最下段は画面の中央で走査をやめているのですね。資料によると「奇数側262本を表示したあとに0.5H分だけ水平走査をする」と書いてあるのですが、これを指しているようです。
また、等価パルス後期間の6個目のパルスの幅が奇数の時とは違います。0.5Hだけ長いので、ここをみることで奇数側なのか偶数側なのかを判別できます。そうすることで、偶数側は画面の中央部分から走査することになります。

こんな感じでXBOX360を壊すこともなく、インタレースなコンポジット信号を見ることができました。

[追記] さっそく調子に乗って他の機器の映像信号を調べてみたのですが、まず、電圧レベルが全然違いました・・・マイナスが普通なの?という感じで、この話はまだまだ続きます。

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