Sound BLASTER 32 PnP / Creative
接続バス:ISA Bus (16bit 8MHz)
サウンドコントローラ:YMF262-M / YAMAHA + CT-2502 + CT1971-Q(EMU8000) + CT1972(EMU8011-01) / Creative
対応機種:PC/AT互換機
動作確認マザーボード:GA-586HX2,S1837UANG Thunderbolt
ISA版Sound BLASTERとしては初代、Sound BLASTER PRO、そしてSound BLASTER 16に続く4世代目に当たる、比較的大きめ(実質的にはフルサイズと同等)のサイズのカードである。
ちなみに名称に冠された“32”という数字は内蔵MIDIシンセサイザーの同時発音数(Emu8000チップによる32音。内蔵FM音源の発音数は内蔵MIDIシンセと同時発音出来ないので数に入らない)に由来するもので、以後のAWE32やAWE64、あるいはPCI化されてからのPCI64やPCI128等も同様の意味を持つ。
ハードウェア的には、上記の通りSound BLASTER 16相当のFM/PCM音源に、Wave BLASTER相当のE-mu SYSTEMS製Wave Table方式ハードウェアシンセを付加した構成を採っており、非PnPの先行モデルであるViBRA8000とは当然に共通点が多いが、PnP対応の関係でメインとなるCT2501がCT2502に変更されており、これに伴い不要となったジャンパが廃止され、基板レイアウトもかなり変更されている。
その基板上にはやはりViBRA8000同様に、IDE方式のCD-ROMインターフェイスと30ピンSIMMソケット*2(ペアで同容量のメモリを挿して用いる)が用意されているが、PnP対応化により非PnP版では可能であったIDEの無効化と、そのリソース取得の停止が不可能になってしまっており、条件によってはリソース決め打ち(一般にIRQ:5・I/O Port:220H&330H・DMA:1/5)のソフトが正しく動作しないことと合わせて、このPnP版はあちこちで不評を買った。
IDE周りの仕様は将来的な拡張性を阻害するという点で確かに論外だが、リソース決め打ちをするソフトが正常動作しない場合があり得るというのは、そもそも幾らSound BLASTERが定番でも、そして例えそれがどんなに出来が良くとも、リソース決め打ちでソフトを書く方が本当は悪い(ディスク容量の制約故に止む無くそうしたのだと思うが、選択の余地がないのは将来を見据えるとやはり感心出来ない)訳で、この件に限ってはCreativeを責める訳には行くまい。
なお、このカードではViBRA8000にあったSPDIF出力端子(ピンヘッダ)が省略された他、音質面から言うとあって欲しいアナログLine Outも無く、アナログ出力はSpeaker Outにのみ対応であった。
ViBRA8000の項でも記したが、SB32系は殆どデファクトスタンダード扱いであったが故に各種OSのサポートが手厚く、レガシーデバイスの撤廃を旗印にしていた筈のWindows 2000でさえ、Microsoft製InBoxドライバとしてこのカードのハードウェアシンセを有効にする(但し音色はEmu8000チップ内蔵の1MB ROMにのみ対応)WDMドライバが提供されており、その定番ぶりを見せつけている。
もっとも、PCIスロットが不足しているというのでもない限りは、Windowsを使用する場合はこんなカードを挿したりせず、ちゃんとしたPCIサウンド/オーディオカードを挿して使用した方が色々な意味で幸せになれるのは言うまでもない。
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