INI-9100J / Initio/ICM


インターフェイス:SCSI-2 (50pin SE 10MB/s)

転送モード:Bus Master

Bus:PCI Rev.2.1 (32bit 33MHz 5V)

SCSIコントローラ:INIC-909・910 / Initio

対応機種:PC/AT互換機・PC-9821シリーズ

動作確認マシン/マザーボード:PC-9821Xa7/C4PC-9821Xv13/W16GA-586HX2


 1996年に惜しくも倒産したICMが発売した、同社にとって最初で最後のPCIバス対応Fast SCSIカード。

 ICMが健在の頃は高くて買う気にならなかったのだが、同社倒産後近所にパソコン工房岡山店が開店した頃(確か夏だった)に店頭にバルク状態で\5000で出ていたのを見て、既にAHA-2940Uを持っていて特に必要が無かったにも関わらず何となくゲットしてしまった(苦笑)。

 このカードのオリジナルを開発したInitioはAdaptecからのスピンアウト組が起こした会社らしく、実際カードの造りを見てもINIC-909,910と2チップ構成になってはいたがそれ以外はAdaptec製SCSIカードと似たデザインにまとめ上げられていた。

 で、まずは98に挿して使ってみた訳だが、速度的にはFast SCSIカードではAHA-2940系(AHA-2940Uで転送速度をFast SCSI同等に設定して比較)をしのいで最速クラスになるのではないかと思う。

 何よりAHA-2940Uでは専用の起動FDで設定していた98使用時のパラメータ設定が、この機種では起動時のBIOSメニューで、それも日本語表示の下で実行できたのは素晴らしく、マニュアルの出来共々ICMのローカライズに対する努力は絶賛に値する。

 只、この98対応日本語BIOSは良く出来ていたけれども、残念な事にPC-9821シリーズ用Windows95対応ドライバの出来が今一つで、一部ASPIコマンドの実装に問題があったりした。

 もしかしたらそれらはAdaptecのASPIマネージャをインストールすれば解決出来たのかも知れないが、PC/AT版の新ドライバでは起こらない問題が起こっていた事を考えると、やはりドライバ固有の問題だったのだろう。

 ICMの倒産が無ければそれは確実に修正・改善されていたと考えられ、その点で同社の倒産が悔やまれてならない。

 もっとも、同社の倒産が無ければご縁の無かったカードでもある訳だが(苦笑)。


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