PC-9821Xa9/C8

PC-9821Xa7/C4


CPU:

Pentium 90MHz → Pentium 100MHz

RAM:

16(JEDEC 72pin 36bit SIMM)* 2 = 32MB + 256KB L2C → 32(JEDEC 72pin 36bit SIMM)* 2 = 64MB + 512KB L2C

HDD:

850MB (IDE) → 2GB(SCSI-2)

FDD:

3.5inch 3 Mode * 1 → 3.5inch 3 Mode * 2

 

拡張機器:

(グラフィック・アクセラレータ)

 Millenium (WRAM 4MB RAMDAC:175MHz) / MatroxPower Window DX/4MC + PC-98接続キット / CANOPUS

(サウンドボード)

 PC-9801-118 / NEC → PC-9801-86 / NEC + Sound BLASTER 16/98 / Creative

(SCSIボード/SCSIカード)

 MDC-926Rs / 緑電子 → AHA-2940U / AdaptecINI-9100J / ICM/InitioIFC-DP / MELCO


 実質的に同じ機体なので一度に書いておこう。

 As2の項でも書いたが、Windows NT Workstation 4.0を走らせる事に主眼をおいて(注1)、1997年1月20日にXa9/C8を今は亡き日本橋のSTAND-BYで購入した。

 本当は当時出たばかりのXv13/W16が欲しかったのだが、予算がなくてこの機種に決定した。

 実はこの直前に地元岡山ではXt13/C12(注2)が処分値で売られていて、殆どXa9 + PCI SCSIカードの価格と大体同額だったらしい(注3)のだが、幸か不幸か私が新しい98を買おうという頃には処分セールは終わっていた(注4)。

 実質的な性能ではXt13の方が上(同じチップセットでもマザーボードの設計がまるで異なり、確実にXt13の方が速度が出る)でおまけに向こうは新品だったのだから随分損な買い物をした事になるのだが、後になって考えてみれば乗り換えに後腐れがないという点や、CPU換装に伴うトラブルの処理などの点でXa9の方が良かった事になる。

 加えて、この時期に複数のPCIのSCSIカードやGAカード、あるいはLANカードに触れていた事は続いて訪れるPC/AT互換機の時代に向けた基礎訓練として非常に重要な意味を持つ事になった。

 もし、当時のNEC最上位機としてMilleniumの4MB版が標準で搭載され、しかもAHA-2940相当のSCSIコントローラが内蔵されていたXt13をあの頃買っていたとしたら、恐らくあそこまで色々入れ替えたりはしていなかった事だろう。

 それは、なまじ高級で手の込んだ設計であるXt13が、そうであるが故に専用パーツや専用設計の部品が多く、パーツの入れ替えやパワーアップに様々な問題が立ちはだかる傾向があった事を考えれば明らかだろう。

 そういう意味では、このXa7/9は捨て石ではあったが非常に重要な役割を果たしたマシンであった。

 もっとも遅いとは言ってもXa7/9がそれはそれで高速なマシンであったのも事実であり、ベンチ結果を見ても同クロックでAnを明らかに上回る性能を叩き出していた(注5)から、当初の目的は達成していた事になる(苦笑)。

 まぁ、今考えるとAnのチップセットというのはAfから継承したローカルバス変換ブリッジを介する為か激しくウェイトの入った、信号の引き回しや動作速度等の面でかなり厳しい(注6)代物だった訳で、そんな物と比較する方が間違っている気もするが、その時はそれで満足した訳だ。

 いやぁ、無知って怖いねぇ(苦笑)。

 ちなみにこの機体、最初はXa9を購入して使っていたのだが、1997年8月の終わりにクロックアップ改造に失敗して起動するたびにクロック周波数が落ちてゆくという想像を絶する凄い状態になった末に完全に沈黙してしまった(泣)のでやむを得ず1997年10月に知人経由でXa7のマザーボード(注7)を入手して入れ替えた、という経緯がある。

 このXa9用マザーボード(G8TTY)の破壊に伴う使用不能こそが、私がPC/AT互換機を組み立てるきっかけ(注8)となった。

 こうして継ぎ接ぎ状態で使ってきたマシンだが、最終的には拡張性の不足、具体的にはPCIスロットの本数不足が原因で、続くXv13/W16への置き換えとなった。

 余談になるが、この頃には98でも標準内蔵フロッピーディスクドライブは1台のみで2台目はオプションというのが一般的になっていたのだが、このマシンには偶然中古で見付けてきた純正内蔵増設FDDを組み込んでいた。

 この組み込み時に気付いたのだが、面白い事にはFDDが1台だと何処にでもあるWindowsマシンにしか見えなかったこのXa7/9が、何故かFDD2台になると途端に伝統的なPC-9801っぽく見えてしまう様になった(笑)。

 内蔵HDの籠が正面向かって右寄りに内蔵される関係でFDDが左に少しオフセットしているMate Aの場合、2FDDモデルでもそこまで98の匂いはしなかった(注9)のだが、伝統的なFDDが完全に右に寄った配置を採ったXa??/C・K・Rの場合は露骨に98の臭気が辺りに漂っていて、このあたりのデザインワークの妙はなかなか興味深いものがある。

 やはり血は争えぬという事か(苦笑)。

 なお、このXa7/9は北九州時代の知人のH.T.氏にPC-9801-86を挿した状態で売却したが、Windowsの方で使うにはかなり遅いもののPC-98固有のDOSゲームを遊ぶには充分過ぎる程高速なので、そういう方面で活躍中らしい(笑)。

 また、1999年末に所用で氏の部屋を訪れた際にPower Window DXを追加搭載したので、これでこのマシンは(CPUの性能は不足するものの)Windowsの使用にもあまり困らない仕様になった(苦笑)。


 (注1):当然ながらフルチューン状態のAs2が素のAnに負けて悔しかったので、高速化も求めてはいた。

 (注2):Windows 3.1プリインストールモデルであった為に在庫処分されていた由である。

 (注3):実際にこの時、サークルの後輩2人がXt13/C12を購入している。なお、Xa9本体の価格自体はそれ相応に割安感があったのだが、SCSIカードにAdaptec純正のAHA-2940U(日本法人発売のリテールパッケージ版)を選んだ為、トータルではXt13/C12以上のコストがかかる事となった。

 (注4):何故かは知らないがこの後も筆者はXt13・16系とは全くご縁が無い。思えばこの時がXt13を購入する最初で最後のチャンスであった。

 (注5):この時筆者は初めてチップセットの性能の重要性を認識した。

 (注6):お陰でAnユーザー諸氏はCPU換装で大変な苦労を強いられている由である。

 (注7):確かCPUクロック倍率設定ピンがちゃんと実装されたG8VAZだったと思うが、最早忘却の彼方の話である。

 (注8):Xa9に入れてあった転用可能な汎用パーツはこの時期その殆どが新造のAT互換機に流用されていた。

 (注9):その辺は流石に一時期のMacintoshのデザインを担当したデザイナー達の手がけた作品である。


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