DICEON 1A? / Digital Equipment


インターフェイス:Wide SCSI (68pin SE 20MB/s) * 2 Channel

転送モード:Bus Master

Bus:PCI Rev.2.0 (32bit 33MHz 5V)

SCSIコントローラ:ISP1020 / QLogic * 2

PCI to PCI バスブリッジ:DEC 21050 / Digital Equipment

10 Base-2/5/T LANコントローラ:DEC 21040-AA / Digital Equipment

対応機種:不詳

動作確認マザーボード:S1837UANG ThunderboltSUPER PIIIDME


 中古屋で見つけて買った、正体不明のフルサイズPCIカード。

 あの“digital”のロゴが基板上にあったので、どうやらDECことDigital Equipmentの製品である様だ。

 QLogicのコントローラを実装したSCSIカードは案外珍しいので買ってみた。

 ここでは一応基板上に記されていたそれらしきものを型番として記しておくが、本当にこれで正しいのかは定かではない。

 これは、PCI to PCIバスブリッジにDEC 21050を用いて、これによって提供されるセカンダリPCIバス上にQLogic製のISP1020 Fast SCSIコントローラ(Wide/Narrow両対応)を2つと、DEC 21040-AA 10Base LANコントローラを1つ接続した、非常に大規模な構成のカードで、内部接続専用の2つのSCSIチャネルがいずれも68ピンのWide接続のみであったり、あるいはLANのインターフェイスも10Base-2/5/Tの全てに対応したり、と非常に贅沢というか豪快な仕様となっている。

 チップの製造週表示等から推測すると1994年頃(確認した限りでは、1994年50週のチップが最新だから、それ以後)に製造されたカードだが、その製造時期とPC用にしては過剰にさえ感じられる仕様から察するに、明らかにWSかServerを対象に当時最速のI/O環境を提供する事を目的として設計されており、PC/AT互換機上ではBIOSが有効に出来ない(2台で確認したが、いずれもNGであった)事をも考慮すると、Alphaプロセッサ搭載マシン用あるいはVAX系マシン用のカードであった可能性が高い。

 何しろ手元にその手のマシンがないのでこれ以上の検証は出来ないのだが、少なくともPC/AT互換機上でBIOSを殺した状態で動作確認をした範囲では、PCI to PCIバスブリッジを介する分、IRQの割り当てが難しくなる部分がある以外は、非常に素直に動作した。

 ちなみに、QLogicのSCSIコントローラは伝統的にCODE/DATA用メモリをコントローラに内蔵せず、外付けのSRAMを接続する構造になっている(これは最新のUltra 160 SCSI対応コントローラであるISP12160Aにも継承されている)為、用途に応じてメモリ量を変更可能となっているが、逆に言えばその分製造コストが増加するから、低価格帯のカードには使い辛い面がある。

 このカードの場合は東芝製の20ns SRAM(TC55328AJ-20)がコントローラ1つに2枚ずつ実装されているから、やはりこれは本来恐ろしく高価なカードであったのではないかと思われる。

 まぁ、今となってはどうという事のない仕様であるが・・・。


インデックス

一応、当ページの内容の無断転載等を禁止します