MULTICHANNEL WIDE ULTRA SCSI CARD 3940UWD (AHA-3940UWD) / Adaptec


インターフェイス:Ultra Wide SCSI (68pin SE 40MB/s) * 2 Channel

転送モード:Bus Master

Bus:PCI Rev.2.0 (32bit 33MHz 5V)

SCSIコントローラ:AIC-7880P / Adaptec * 2

PCI to PCI バスブリッジ:DEC 21050 / DEC

対応機種:PC/AT互換機・PC-9821シリーズ

動作確認マシン/マザーボード:PC-9821Xv13/W16MS-6163,S1837UANG Thunderbolt


 Adaptec社製AIC-7880P搭載Ultra/Ultra Wide SCSI対応SCSIアダプタカードシリーズの最上位モデル。

 2 Channel Wide SCSIカードであったAHA-3940Wの後継機種であり、下位機種として2 Channel Ultra SCSI(50ピンコネクタ * 2 * 2)のAHA-3940Uが存在する。

 分かり易く言えばAHA-2940UWほぼ2枚分に相当する機能を1枚にまとめたカードで、2 Channelで最大15*2=30デバイスの制御が可能である。

 PCI to PCIバスブリッジチップであるDEC 21050(ロットによってはDEC 21152)がPCIバスカードエッジコネクタの直上に置かれ、その左右に1つずつAIC-7880Pが接続されているのはこの為で、2個のAIC-7880PはそれらとDEC 21050の3つのLSI間を接続する、そしてカード上で完結する文字通りローカルなPCIバス上に存在している。

 大がかりな構造ではあるが、このカード自体が消費するシステムリソースはAHA-2940系2枚分と大差ないレベルに留まっていて、PCI to PCIバスブリッジが中継する関係上転送速度自体はほんの僅かではあるが同じコントローラを搭載するAHA-2940U/UWよりも低下するという特徴がある。

 また、このカードの場合2本あるUltra Wide SCSIチャネル(それぞれCh A,Bと呼称)について内部68ピン(Wide)、外部高密度ミニチュア68ピンが1つずつ、合わせて4基のWideコネクタを備えているが、実はこの外部高密度ミニチュア(VHDI)コネクタが曲者で、対応ケーブルが高価な上に、その入手がかなり困難である。

 以上の通り、ハードウェアとしては特徴の多い製品であるが、ソフトウェア的に見た場合はPCI to PCIバスブリッジであるDEC 21050が「透過的に」振る舞う為、文字通りAHA-2940UW2枚(相当)として機能し、特別な操作は殆ど必要としない。

 無論、それを企図してBIOSやドライバ等が書かれているのも確かではあろうが。

 なお、このカードも同時期のAdaptec社製PCI SCSIカードの例に漏れず日本市場向けリテールパッケージ製品のみPC/AT互換機・PC-9821シリーズ両対応のBIOSが書き込まれて出荷されており、それぞれに対応したドライバ類と、PC/AT互換機でのBIOSセットアップ(Adaptec自身が"SCSI Select"と呼んでいるもの)に相当する機能をPC-98で実現する為のブータブルユーティリティディスクが同梱されていた。

 さて、肝心のこのカードの動作だが、見た目の派手さの割に安定かつそれなりに高速な、ごくごく当たり前のカードであった。

 ただ、それは使用したマシンのチップセットがIntel 440BXやIntel 430HXでPCIの挙動が安定していた為だ、という話もあり、旧式の(特にPCI Rev.2.0の頃の)チップセットを搭載したマシンでは不具合を出す事も結構あるらしい。


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