GA-586SG / GIGA-BYTE


CPU Type:Socket 7

Chip Set:SiS5591 (David) + SiS5595 / SiS

FSB Clock:50, 60, 66, 75, 83, 100MHz

Onboard L2C:512KB

RAM Module Type:72pin EDO/Fast Page Mode DRAM SIMM *2 + 168pin 3.3V PC/66・PC/100 SDRAM DIMM *2

Ext.Slot:x2 AGP *1, 32bit 33MHz PCI *4, ISA *2

Power Supply Type:AT/ATX

Board Form:Baby AT

BIOS:Award Modular BIOS v4.51PG


 AGPを搭載したSocket 7対応マザーボードの出始めの機種の1つで、1998年3月上旬に購入。

 GA-586Sに搭載されていたSiS 5571、あるいはそれに続くSiS 5581/5582の後継モデルにあたるSiS 5591 + 5595を搭載したこのモデルは、GIGA-BYTEが当時開発していたGA-586SG?(?の部分にはM等の文字が入る)シリーズの基本機種として、AMDが提唱したSuper 7と呼ばれる規格の下でのFSB 100MHz動作を目的に開発されていた筈なのだが、SiS側のチップ製造上の問題等からFSB 100MHz駆動の正式サポートは見送られ、結局83MHz駆動を上限とする状態で出荷された曰く付きの製品であった。

 そんな訳でこのGA-586SG?シリーズは一応公式見解通りFSB設定の上限が83MHzとされていたが、実はこのSGに限っては隠し設定で100MHz駆動が可能になっていた。

 GIGA-BYTEが一体何を企図してそうなっていたのかは定かではないが、オンボードのL2Cが低速品で追従出来ず、結局はL2Cを殺した状態でなければ起動出来なかった事を考えると、この機種で試して駄目だったので他の機種では外した可能性がある。

 但し、このL2C無しでのFSB 100MHz駆動は思いの外高速で、高クロック耐性のMMX Pentium 166MHz(SL27H)との組み合わせによる100*2.5=250MHz駆動で安定していた。

 まぁ、今から思えば同クロックでの挙動がTriton HX搭載のGA-586HX2のみならずAlladin IV+搭載のMS-5164にさえ劣っていたのではないかという気さえするのだが、この時はとにかくAGPスロットがある事が正義だった。

 このボードの時に筐体をIW-G500(Baby AT電源・ミニタワー)からIW-Q500(ATX電源・フルタワー)に変更したが、Baby AT対応のバックパネルが無くて困った記憶がある。

 ちなみにこの製品位から各社のATXへの移行がはっきりし始め、同一メーカー、同一チップセットでATXフォームの物よりもよりも高機能なBaby ATフォームのマザーボードを見かける事は無くなっていった。

 それは、Intel/Microsoft提唱のPC98で電源管理機能の搭載が要求された結果、必然的に野放し状態であるAT規格電源の退場が求められる様になった事によるものだが、これは同時に、USB用ブラケットの搭載でBaby ATマザーが拡張スロットに割り当てられる筐体側スロットの数が減った事も原因であったのでは無かろうか。

 この時期にBaby ATフォームのマザーボードでマシンを組んだ経験のある方にはお分かり頂ける物と思うが、この規格では綺麗に配線を引き回すのは至難の技だった。

 Baby ATマザーボードの機能をフルに使うにはシリアル*2、パラレル、マウスコネクタ(場合によってはPS/2キーボードコネクタも)、そしてUSBと最低でもスロット3本分をコネクタのブラケットに割り当てる必要があって、通常8本しかない筐体側スロットの内使っていない/拡張カードには使えないスロットまでどう配線をレイアウトするかというのはなかなかの難問だったからだ。

 実際、私の経験から言ってもBaby ATフォームの配線引き回しは常にブラケットに取り付けるコネクタのケーブル長との戦いであり、その過程でのケーブル断線等のトラブルも結構あった。

 ATXフォームファクタというのはその問題に対するメーカーサイドの回答という意味があった訳で、これの採用によって少なくとも5本のケーブル引き回しが不要になったのであるから、その意味でもBaby AT筐体の時代は終わりを告げようとしていたのである。


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