MS-5164 / Micro-Star


CPU Type:Socket 7

Chip Set:M1543 (Aladdin IV+) + M1531 / ALi

FSB Clock:50, 60, 66, 75, 83MHz

Onboard L2C:512KB

RAM Module Type:72pin EDO/Fast Page Mode DRAM SIMM *4 + 168pin 3.3V PC/66 SDRAM DIMM *2

Ext.Slot:PCI *4, PCI/ISA *1, ISA *2

Power Supply Type:AT/ATX

Board Form:Baby AT

BIOS:Award Modular BIOS v4.51PG


 PCIスロットが5本使える事に惹かれて1998年1月に購入。

 これは430TX互換チップセットの名で知られた、一連の台湾メーカー製チップセットの一つであるALi(エイサーの子会社)製Aladdin IV+を搭載したマザーボードで、Intel製品には存在しないFSB 75, 85MHzモードが存在するのがウリだった。

 当然それはこの周波数を要求した一部のCyrix製CPUを前提にした機能であり、それ以後のFSB 100MHz時代の様にCPUの規定動作周波数以上へのクロックアップを目論んだ機能ではなかった筈なのだが、結局の所はそういう使われ方をした例が多かった(笑)。

 このマザーボードを買ったのは、前述の通りPCIスロットが5本使える仕様だった為だが、実の所Windows 95上では仕様を定義する.infファイルに問題があったのか、5本ともPCIカードを挿した状態ではうまく動作しない事があった。

 ALiが公表しているAladdin IV+の仕様書を確認した限りでは5バスマスタPCIをサポートしているので、これは単純にPCIカード特有の問題であるINT A〜Dの割り込み定義に関わる各カード間のバッティングが原因かと思われる。

 このボードはWindows 95では致命的な問題は出なかったのだが、この機種の姉妹品であるMS-5163(ATX版)では後日、Windows 98のインストール後電源切断に失敗する等あれやこれやと問題が頻発した。

 当時私の持っていた筐体はBaby ATタイプ、電源も当然懐かしのAT電源だったので電源管理機構も何もあったものではない仕様であった訳だが、どうやらそのお陰で問題を回避出来ていたらしい(苦笑)。

 この時期以降、Baby ATタイプのマザーボードでも節電モード対応という事でATXタイプの電源コネクタを搭載した機種が増えて行く事となったが、この製品はその最初期の一例という事になる。

 ちなみに後輩の一人がMS-5163を購入して使っていたのだが、そのセットアップ時に私がうっかりBIOSのタイマー起動設定をいじった為に、深夜のある時間になると自動的に起動する様になってしまい、何とかしてくれと泣きつかれた記憶がある(笑)。

 それはこれまでのAT互換機では全く考えられなかった様なトラブルであり、ソフトウェアが管理するATX電源だからこそ発生するトラブルでもあった(苦笑)。

 まぁ、この系統はいずれにせよ影の薄い製品ばかりだったのは確かで、グラフィック周りの高速化を約束するAGP対応チップセット搭載マザーボードの登場で一気に陳腐化し、あっさり駆逐されてしまった事は記憶に新しい。

 なお、このボードは後日知人に譲渡したのだが、ある日突如煙を噴いてお亡くなりになってしまわれたらしい(合掌)。

 何にせよ幸の薄いマザーボードであった。


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