AUDIOPHILE 192 / M-AUDIO


Bus:PCI Rev.2.2 (32bit 33MHz 3.3/5V)

サウンドコントローラ:VT1724 ENVY24HT / VIA/ICEnsemble + AK4358VQ / AKM + AK5385AVF / AKM + AK4114VQ / AKM

対応機種:PC/AT互換機・PCIバススロット搭載Power Macintosh

動作確認マザーボード:S2885ANRF-T Thunder K8W


 2005年6月に購入した、192KHz 24bit SPDIF同軸入出力・2chアナログ出力対応オーディオカード。

 M-AUDIOの前作AUDIOPHILE 2496 for PCI-Xの強化改良版に当たるが、192KHz対応の関係からか基板設計は大幅に変更されており、外観から受ける印象もかなり異なる。

 コネクタは同軸のSPDIF端子が入出力共に基板直結とされ、モニターアウト・アナログイン/アウト・MIDIイン/アウトの各端子は25ピン専用ブレイクアウトケーブルで接続となっているが、この内モニターアウト・アナログイン/アウトの3系統はそれぞれLR各コネクタがステレオ標準ジャックとなっており、ステレオプラグ−XLRタイプの3接点コネクタ変換ケーブルを使用すればバランス接続が可能となっている。

 基本的には他のEnvy24HT搭載カード群と大差ない仕様なのだが、流石にAKM(旭化成マイクロシステム)の高性能DAC・ADC・デジタルレシーバが奢られただけに音質は前作と比べて格段に向上しており、音の厚みという点ではごく僅かにHDSP9632等のRME製オーディオカードに劣るという印象はある(注1)ものの、この価格帯の製品としては出色の完成度と言って良いだろう。

 このカードのドライバは例によってDELTAシリーズと共通でカードの複数挿しによる連携動作が可能(注2)だが、ワードクロックによる同期機能は一切持たされていない為、高精度信号同期という観点ではやや不満が残る。

 無論、コストダウンの為に汎用のEnvy24シリーズをコントローラとして搭載するこのシリーズにそれを求めるのは無理難題というべきで、その場合はコストを無視してでもRME等のワードクロック同期対応カードを求めるべきだろう。

 ちなみにこのカードはDELTAシリーズ共通のドライバを使用という事でWindows標準のMMEの他、ASIO2、WDM、GSIF2、そしてDirectSoundをサポートしており、これ1枚でサウンド/オーディオ機能を完結させられるのは大きな特徴として良いだろう。


 (注1):恐らくこれはRMEが好んで使用するANALOG DEVICES AD1852とAKM AK4358VQのDACとしての音色傾向の違いによるものと考えられる。あくまで性能の優劣とは別の次元の個人的感想と受け取っていただきたい。ちなみに前作AUDIOPHILE 2496ではCrystalのDACが積まれていたが、正直なところそちらは「音が曇っている」という印象があり、S/N比やダイナミックレンジなどの特性や性能そのものが不十分であった事は否めない。

 (注2):AUDIOPHILE 192のみによる複数枚挿しだけではなく、DELTA 44/66やAUDIOPHILE 2496といった同じシリーズの他のカードを混在しての連係動作も可能である。


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