Power Macintosh 8500内蔵SCSIコントローラ / Apple


インターフェイス:内部接続用:SCSI-2 (50pin 10MB/s) ・外部接続用:SCSI-1 (50pin 5MB/s)

転送モード:DMA

Bus:PCI Rev.2.0 (32bit 33MHz 5V)

SCSIコントローラ:MESH / Apple(内部接続用)・AM79C950AKC / AMD(外部接続用)

実装機種:Power Macintosh 8500/132


 Power Macintoshの内蔵SCSIコントローラ群である。

 上にも記した通り、内部接続に高速だがケーブル長の制限の厳しいSCSI 2規格準拠のコントローラを、そして外部接続には低速だが比較的ケーブル長やノイズ問題に寛容なSCSI 1規格準拠のコントローラを実装しており、合計で14のデバイスが接続可能な構成となっている。

 ちなみにSCSI 1の方はBe OSのSCSI Probeでチェックした限りではNCR製53c96という事なのだが、実際の基板上を探してみるとNCR製チップは存在せず、代わりにAMD製のチップ(AM79C950AKC)がSCSIコントローラとおぼしき位置に実装されていた。

 物の本によればこのAMD製チップ(Apple側での呼称はCurio)はシリアルポートとSCSI、それにLANの複合チップなのだそうで、察するにSCSI部分についてはNCR製SCSIコントローラのライセンス生産なのであろう。

 また、MESHは先代のPower Macintosh 7100 / 8100で初搭載されたApple社のオリジナル設計によるカスタムチップであり、実際のチップ生産は他のカスタムチップ同様にVLSIが担当している。

 ちなみにこれらSCSIコントローラはPCIバスにではなく専用のI/Oコントローラ(Grand Central:PCI接続)の下に他のI/Oデバイスと並んで接続する構成となっている。

 つまりPCI直結構成ではない(今風に言えばレガシーデバイスか)という事であり、幾らSCSI 2規格準拠とは言ってもバスマスタ転送等は不可能であるから、基本的に高速でない事は自明であろう。

 いずれにせよ双方とも転送速度的にはどうという事のないコントローラであり、仕様的にも問題が出にくい状態であるから、以前Quadra 800の時に何故か内蔵不可であったQuantumのFireBall 1080Sも問題なく内蔵出来た。

 ただ、Ultra Wide SCSIのカードに慣れてしまった今の私の感覚ではどちらも激遅なので、IwillのSIDE-2935UWのBIOSをMac用に書き換えて挿してみたのであるが、結局幾ら高速のSCSIカードを挿していても肝心のHDDその他が低速では話にならないという事で元通りにしてしまった。


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