PC-9801FA-02 / NEC
インターフェイス:SCSI-1 (50pin SE 5MB/s)
転送モード:DMA
Bus:C Bus (16bit)
コントローラ:WD33C93AJM / Western Digital + 147603-002 YAENOMUTEKI / NEC
対応機種:SCSIスロット搭載PC-9800シリーズ (PC-9801F?,PC-9821A?,etc.)
動作確認マシン:PC-9821As2/U8W
NEC純正のSCSIスロット専用SCSIボードとしては最初の製品で、本来は1992年1月発売のPC-9801FA等の為に開発されたボードである。
Cバス汎用の純正製品で言えばPC-9801-55に相当する内容を備えており、従って、初期のNEC自社製SCSI HDDの仕様に合わせて策定されたと思しきかなり変則的な容量計算方法を採る関係で、「NECプロテクト」として知られるSCSIバス初期化時にSCSIベンダコードチェックが実施される為、HDDとしてはNEC純正品及びベンダコードの先頭三文字を“NEC”に変えられる製品のみが接続可能となっている。
ハードウェア的に見ると、Cバス相当の信号線(但しバスマスタに必要な信号は省略されていた様だ)と内蔵HDベイ&ファイルスロット用SCSIバス信号線を一体とした専用の120ピンアンフェノールタイプコネクタで本体と接続する設計で、搭載された147603-002 YAENOMUTEKI(八重の霧笛?)というバスコントローラはDMA転送のみをサポートする為、その転送性能は控えめに言ってもかなり低く、同じ系統のSCSIコントローラ(WD33C93系)搭載でありながら、バスコントローラの回路的な工夫で著しく高速化して、遂にCバスの理論転送限界まで性能を向上した以後のCバス系SCSIボードと比べると、性能を基準におく限り、その利用価値は皆無に近い。
つまり、汎用性・性能の二点で問題を抱えている訳だが、更にこのボードは後継のPC-9821A-E10では可能なBIOSを殺してのSCSIバスパススルーカードへの転用もそのままでは不可能、という業病も抱えている為、このボードのBIOSを決め打ちで叩くとかそういった余程特殊な事情でもない限りは、例え当該SCSIスロット搭載機種であっても今更利用する価値の全く無いボードであると断言できる。
事実、それを裏付けるようにこのボードは捨て値で売られている事があるが、今これを敢えて買い求めるのは、98用SCSIボードのコレクションをしている方(苦笑)にのみお勧めする。
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