IF-2768 / ICM


インターフェイス:SCSI-2 (50pin SE 10MB/s)

転送モード:DMA/FIFO/Bus Master

Bus:C Bus (16bit)

コントローラ:WD33C93BJM / Western Digital + BMX-2 / Work Bit

対応機種:PC-9800シリーズ

動作確認マシン:PC-9801T model W5PC-9821Xv13/W16


 ICM製としては初のPC-9801-92互換SCSIボード。

 当時NECはNESA/PCI対応製品ではバスマスタを採用していたにもかかわらず、Cバス用SCSIボードについては頑としてバスマスタ転送機能を搭載しようとしなかったのだが、サードパーティ製品はこれを含めバスマスタ転送が大流行であった。

 後から考えればNECの意図は明白(注1)で、しかも非常に筋の通った考え方だった訳だが、この頃はまだメモリを16MB以上積むというのは本当に大変な贅沢であったから、メモリ16MB以下でバスマスタ転送の高速SCSIカードという組み合わせは、それはそれで一つの正義だった。

 これは先輩に譲ったIF-2769の補充用(注2)として同じくパソコン工房岡山店で\2,480で購入した製品である。

 型番からも判る通りIF-2769の前作にあたり、PnP機能回り以外は性能を含め大体似た様な仕様であるが、基板設計のレベルでは各チップの集積化が進む前の世代のボードであり、ディップスイッチ類が満載されている為もあってか随分異なった印象を受ける。

 こちらはWindows 95用ドライバの開発・発表が間に合っていて、そもそも搭載バスコントローラがWork Bit製でそちらの方からのドライバ提供が得られたのか、Windows 98においても正式サポートされており、そういう意味ではIF-2769とは比べものにならない位「使える」ボードである。

 もっとも、世代が古い分だけ性能面で2769にやや及ばないのも事実で、これらは意識して使い分ける必要があろう。

 ちなみに、正規の対応OSはDOS+Windows 3.1、Windows 9x、Windows NT、そしてOS/2 J2.11(!!)である。


 (注1):Cバスが24ビット(16MB)分しかアドレス制御線を持っていない関係で、Cバス用バスマスタ転送ボードではメモリ搭載量が16MB以上になると直接バスマスタ転送が出来ない。従って、オーバー16MB空間へのアクセス時には、一旦バスマスタ転送の及ぶアドレスにデータ転送してから今一度メモリ転送で所定のアドレスに送り込む、ダブルバッファリングという処理の必要が生じるので、ある程度速度が落ちる事になる。

 (注2):この頃の筆者は周囲に98ユーザー、それもSCSI機器を使用する人間が多数いた関係で、緊急用に予備のCバスSCSIボードを持つ習慣があった。


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