REX-PCIFS4 / RATOC Systems
インターフェイス:Ultra 2 Wide SCSI (68pin LVD 80MB/s) + IEEE1394a-2000 転送モード:Bus Master Bus:PCI Rev.2.1 (32bit 33MHz 3.3/5V) SCSIコントローラ:INIC-1060P / Initio PCI to PCI バスブリッジ:HB1 / HiNT IEEE1394aコントローラ:μPD72872GC / NEC 対応機種:PC/AT互換機(SGI VWS 320/540) 動作確認マシン/マザーボード:PC-9821RvII26/N20
VWS-UG(VWSユーザーズグループ)が企画し、RATOC Systemsが製造し、そして日本SGIが頒布した異色のSCSI・IEEE1394a複合カード。
2006年7月に、某ショップで新古品がジャンク扱いとして大量入荷していたものを複数購入した。
SGI VWS320/540に高速SCSIと、(オンボード搭載されていながら標準のNT4.0ではサポートされず、更に対応が期待されたWindows 2000用デバイスドライバが提供されなかった為、結局使用できなかったらしい)IEEE1394インターフェイスを別途追加すべく企画された製品である由だが、既にVWS-UGはサイトを閉鎖しており、その誕生の経緯は定かではない。
カードの基本設計は先行するRatoc REX-PCIFS3のSCSIコントローラをUltra Wide SCSI対応のINIC-850からUltra 2 Wide SCSI対応のINIC-1060Pに、そしてPCI to PCIバスブリッジを入手の容易なHiNTのHB1に、それぞれ置き換えたものである。
但し、SCSI BIOS用としてFLASHメモリは実装されているが、VWS 320/540でブート可能なSCSI BIOSは純正のQL1080(QLogic ISP1080搭載)のものしか存在しないため、VWS各機種ではこのカードに接続されたSCSI HDDから直接ブートする事は出来ない。
本来は上述の通りVWSユーザーのためのカードだが、他に例の無いUltra 2 Wide SCSIとIEEE1394の複合カード、それもPCIバス搭載のPC-9821シリーズに対応するBIOSが存在するINIC-1060P搭載、という事でVWSユーザーよりもむしろBIOSさえ書き込めばブートに使えてしまう98ユーザーに賞揚された。
もっとも、LVD-SEブリッジは搭載されていないため、このカードのSCSIバスは実質的にLVD対応HDD専用であり、更にPCI to PCIブリッジがHB1であるためSuperCore594 “Wildcat”等のVLSI製チップセット搭載98での使用はほぼ絶望的、しかもHB1のブリッジとしての性能はCHANPON3-PCIに搭載されたIntel 21152に劣る、という問題があり、98でもこのカードを有効に利用可能なのは、実質的にUltra SCSIオンボードであるRv/Rs系の4機種に限られよう。
ちなみに、INIC-1060PはMac用Open Firmwareも存在しているので、理屈上このカードはMacでもSCSI HDDからブート可能という事になるが、IEEE1394インターフェイスが動作するかどうかは定かではない。
一応、当ページの内容の無断転載等を禁止します