GIU2-PCI / 玄人志向


インターフェイス:USB 2.0 + IEEE1394a + 1000Base-T

転送モード:Bus Master

Bus:PCI Rev.2.2 (32bit 33MHz 3.3/5V)

USB 2.0コントローラ:VT6212L / VIA

IEEE1394aコントローラ:VT6306 / VIA

1000Base-Tコントローラ:RTL8110S-32 / REALTEK

対応機種:PC/AT互換機

動作確認マシン/マザーボード:S2885ANRF-T Thunder K8WSUPER PIIIDME


 2004年7月上旬に発売された、1000Base-T LAN・IEEE1394a・USB 2.0コンボカード。

 ご覧の通り3つのPCI対応コントローラが実装されているが、専用のPCIブリッジチップは搭載されておらず、カードエッジ直近に配されたVT6306内蔵のPCIブリッジ機能がこれを代行する構成である。

 コネクタ配置はブラケットが上からUSB 2.0 *2、GbE *1、そして4ピンのDV用IEEE1394a *1、内部向けがバスパワード給電対応のIEEE1394a *1とUSB 2.0 *1、それにIEEE1394a給電用の4ピン電源入力コネクタとなっているが、基板上ブラケット最上部にBP-USB2.0と称する給電機能を備えたUSB 2.0コネクタを実装するための回路パターンが用意されており、ブラケットにもこれに対応した開口部が存在している。

 これについては製品では一切説明が無いのだが、実はこのパターン、この製品と同時期に発売されたGW3.5BP/GIU2という外付けHDDケースとこれに対応するGIU2-PCI相当の専用インターフェースカードのセットにおいて、件のHDDケースとカードの間をバスパワード接続する為に用意されていたもので、USB 2.0接続ながらコネクタ自体はIEEE1394aの6ピンコネクタと同じ物が利用されていた為、誤ってIEEE1394a対応機器を接続しないよう注意書きが添付されていた由である。

 このカードの搭載チップ群はそれぞれ単体で相応の評価を得た物ばかりであるが、この様な形で組み合わせて使うにはやはり問題があるらしく、本来非対応の製品であるので適当な例ではないかも知れないが、例えばPC-9821シリーズの様にBIOSのPCIブリッジデバイスに関するリソース取得やブリッジ以下のデバイスのBIOSスキャンに問題のある機種では、IEEE1394aコントローラのリソース取得に失敗したり、あるいは一見正常に認識され動作している様に見えるGbEコントローラが1000Base-T動作時にデータ化け続出で実用にならない、といった症状が露呈する事を確認している。

 只、これは本当に特殊な事例で、きちんとPCIブリッジデバイスの対応がとられたBIOSを持つ普通のPC/AT互換機であれば問題なく動作する筈で、実際筆者の環境でもかなり特殊な部類に入り、BIOSのリソース取得ルーチンに手抜きがあってこの種のブリッジデバイスの扱いに難がある筈のSUPER PIIIDMEでさえ正しく動作し、LANのデータ化けも特に起きていない事を考えると、普通に使う分にはこれで充分という事になるだろう。

 但し、このカードには1つ難点があって、LANチップに高CPU負荷・高発熱・低性能で定評のあるREALTEK製品が採用されている為、何らかの手段で冷却を徹底しない場合、特に1000Base-T動作時の安定性あるいは信頼性で問題になる可能性が高い。

 なお、このカードそのものは既にディスコン扱いだが、実はこれには事情があって、玄人志向の親会社であるBUFFALOがこのカードのブラケット金具をごく僅かに形状変更し、こちらでは省略されていたWOLコネクタ(但しサポート対象外)を実装した製品(基板は共通の為、問題のBP-USB2.0コネクタは当然ながら省略されている)をIFC-PCI6GLIU2として発売した為、付属ソフトもサポートも無い代わりに安いこの製品の継続販売は色々と不都合があった様である。

 これは余談だが、このカード及びIFC-PCI6GLIU2、それにGW3.5BP/GIU2のPCIカード部分の3製品にはいずれも何らかの設定変更を行うためと思しき6セット12ピンのジャンパ用ピンヘッダが用意されているが、いずれの場合も最上列以外は全てジャンパをはめた状態となっている為、これの設定変更がどの様な状況でどの様な目的を果たす物なのかは定かではない。


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