PC-9801T model W5
CPU:
i386SX 20MHz / μPD70116(V30) 8MHz
RAM:
1.6(内蔵オンボード) + 6(専用拡張ボード) = 7.6MB
HDD:
40MB(SASI / PC-9801T-35相当) → 無し
拡張機器:
(SCSIボード)
ゴミ捨て場で拾った、PC-9801の名前を冠したPC中でも1,2を争う異色作。
いわゆるクラムシェルのラップトップ(注1)タイプの機体で、3.5インチFDDを2基横並びに搭載し、背面には2本のCバススロットを備え拡張性にも万全の備え(笑)がなされている。
実を言うと拾って暫く遊んでから後輩にあげてしまったので、持っていた事をすっかり忘れ果てていた(苦笑)。
本体と分離合体可能(笑)なテンキー無しのフルサイズメカニカルキーボードを搭載する上に、バックライト付きの白黒液晶(注2)を持つ等、単純にDOSツールで文章を書くにはかなり良く出来たマシンであるが、何しろ専用の取っ手(注3)が無ければ持ち運びも困難な位重い機械でもある上、AC100Vのコンセントが必須の設計なので使途をかなり限定されよう。
せいぜい98DOSアプリ専用省スペースデスクトップが関の山といった所か。
筐体が変な形である為に誤解する向きがあるが、この時期の98としてみればこれは非常に素直な設計の機体であり、9821出現以前のノーマルモード解像度を必要とするアプリケーションのほぼ全て(注4)が問題なく動作する点から言ってもサブマシンに最適かも知れない。
何より拡張スロットとしてCバススロットが2本あるので、PC-9801-86とSCSIボードを積んでしまえるのが良い。
なお、当機に搭載されていたHDDはNEC製のフルハイト40MB SASIインターフェイスの古典的ドライブで、その余りの遅さに耐えかねて取り外してしまった程の代物であった。
(注1):クラムシェル(貝殻)タイプではあるが、その厚みや大きさ。それに重さはとても膝の上(ラップトップ)に載せて使える様なものではなく、どう考えても「中身のぎっちり詰まったトランク」といった感じである。
(注2):但し拾った時点で既に経年劣化が著しく、バックライトにバラツキが出ていた。とりあえずRGB出力(但しPC-9801ベースなので水平同期周波数24KHz固定である)もあるので実用上問題はあまり無い(そもそもコンセントがないと動かない機種なのである)が、良い話でないのは確かである。
(注3):これが付いているのは、ツインタワー形のX68000/X68030と初期のFM TOWNSを除けば、この時期に各社が出していた重量級ラップトップマシンにほぼ限定される。つまり、この種のラップトップ機は取っ手無しでは持ち運べない程重いのが通例だったのである。
(注4):何しろV30が搭載されているので、古いVM専用ソフトも外付けで5.25インチFDDさえ接続すれば当然に正常動作する。
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