X68000 PRO/PRO-HD (CZ-652C/662C) 付属キーボード / SHARP


 X68000シリーズの普及機として、低価格化に主眼を置いて設計されたX68000 PRO系に付属したメンブレンゴムスイッチキーボード。

 本体裏にはDSETK0020CE01という型番が記載されている。

 キースイッチ機構はラバードーム+カーボン端子一体成形品でそのカーボン端子が基板側接点パターンを短絡する事によってオンになるというX1G付属キーボードと類似の構造であるが、生産上の都合によるのか、内部的にはメンブレンゴムシートがカーソルキーの左の部分で2枚に分割されていた。

 当然ながら、この構造ではゴムの材質が均一である限りは、良質なキータッチは望むべくもない。

 キー配列はX68000/X68030のマンハッタンシェイプモデル付属キーボードと共通で、不評だったCaps Lockキーの配置もそのままである。

 LEDなどの装備もこれに準じるが、コストダウンが目的でマウス端子は廃止された。

 ちなみにこのキーボードでシャープ技術陣が見せたコストダウンの努力は涙ぐましいものがあって、キーマトリクスに配された誤入力防止用ダイオードまで削った(爆)為、複数キーの同時押しで誤入力が多発するという困った問題(これについては一時期ダイオード付加等のカスタマイズサービスを請け負う会社が存在した事が知られている)が発生したりした。

 また、外装デザインはマンハッタンシェイプモデル用と大幅に変更されており、不評だったパームレスト部の妙な曲面が無くなり、大きなパームレストが張り出した実用上ぐっと打ち易い形状に変更された。

 大柄になったのがちょっと困る、という声もあったが、これでキータッチさえ良ければ最高の68用キーボードとなり得ただけに、少し残念な気がする。

 なお、コントローラはM80C51F-113という沖電気/SHARPの刻印の入ったIntel 80C51のセカンドソース品で、流石にここまで複雑になると8bitコントローラでは不足が生じた様だ。


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