PC-1285

 PC-1280の実行専用機です。種機が黒一色なのに対して、こちらは白を基調としたすっきりしたデザインです。普通種機と専用機のデザインは踏襲されるものなのですが、これに限っては全く正反対の色調になっているのは興味深いところです。
 フタを閉じたところ。こうして見るとPC-1280と違いがわかりませんね…てなわけないですな。色が違うし。というかこっちのデザインの方が好きです。白といっても純白でなくクリーム色、アクセントの青も薄め、ほんとうに上品です。
 そして当然ながらこちらも二行表示。液晶は完全に流用で、PROモード表示などが残っています。VRAMエリアを直接いじれば表示させられるはずです。
 電卓モードは12桁、カンマ付き。BASICが倍精度なら、20桁でもよさそうなもんですが…。
 裏面、裏ブタをとったところ。PC-1280と同様の構成ですが、メモリー保護用電池がなくてそのための交換用切り替えスイッチも省略されていますね。

PC-1285の使い方

 マニュアルがないんであまり解析してません。ほぼ同じだろうということで「仮」の情報を掲載することにします。

電卓機能

 電源を入れると、よくある12桁電卓として使用するモードになります。メモリー機能もあります。メモリーに何か値が入っていると、液晶右上にMマークが点灯します。
 プログラムを止めても、電卓モードに戻ります。

内蔵プログラム実行機能

 A〜DとJ〜Mのラベルがついているキーがプログラム実行キーです。実はこれはPC-1250とかでいうところのDEF+英字キーと同じ働きをするようになっています。DEF+英字キーというのは、例えば

10:"A" CLEAR

などとプログラムが書かれていたとき、RUNモードにおいてDEF,Aの順に押すと"A"と書かれたラベルの場所から実行する機能です。カシオのポケコンでは10個のプログラム領域があって、それぞれを独立したプログラムとして扱うようになっていますが、シャープのポケコンではプログラム領域はひとつです。そこで、複数のプログラムを一本にまとめる代わりにそれらを行番号で管理しなくてもいいようにラベルジャンプできるようにしてあるわけです。ちなみに、ラベルは複数文字や予約語もOKです(文字列なんだから予約語が含まれたって関係ないでしょ、と思うなかれ。ポケコンはプログラムが入力されると予約語については中間コードに変換するけれども、その後は予約語を一文字として扱うのだ。つまり、例えばエラー処理ルーチンのラベルに普通に"ERROR"と書くより、一度予約語として認識させてからダブルクォーテーションでくくるほうが4バイト節約できるというわけ。ちゃんと表示もできるから、少ないメモリをできるだけ有効に使うためによく使わせていただきました、この技)。

プログラムの入出力について

 キーボードの左下にあるINとOUTの丸い穴は、リセットボタンのようにボールペンのように先の細いもので押し込むことで機能させることができる、テープへの入出力ボタンです。つまりは、CLOADとCSAVEがそれぞれひと押しで実行できるということですね。
 プログラムはもちろんPC-1285で作成することは不可能ですから、PC-1280で作成したものを転送する必要があります。EA-128Cというケーブルを使うとポケコンどうしで直接転送が可能です。私も昔は似たようなケーブルを使ってPC-1251とPC-1250との間でデータをやりとりしていたものです…。

 ただ、PC-1285の場合にはRAMカードが使えるので、PC-1280でプログラムを作成した状態のカードを持ってくればそのまま動かせます。

その他のキー

 ENTERキーは普通どおりデータ入力用のキーですが、実行専用機で最も特徴的なのはYESとNOのキーでしょう。これはそのまま入力されるわけではありませんが、INKEY$なんかではちゃんと識別できますので、ユーザーに判断を促したいときなどに有効に利用できます。

プログラムの注意点

 主に操作上の違いから、次の点に注意してプログラムを作成するようにする必要があります。

キー コード キー コード キー コード
A 65 0 48 ÷ 47
B 66 1 49 × 42
C 67 2 50 - 45
D 68 3 51 + 43
J 74 4 52 CL 82
K 75 5 53 CE 83
L 76 6 54 = 61
M 77 7 55 CM 84
YES 79 8 56 RM 85
NO 78 9 57 M- 86
ENTER 80 . 46 M+ 87
    % 81

 あとは、ハード的にもほぼPC-1280と同じなので、例えばグラフィックなんかも表示できます。キーマトリクスまでは調べてませんが…。

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