MZ-8BIO4
(MZ-80B/B2/2000/2200用GP-IBボード)
MZ-8BC04
(MZ-8BIO4用GP-IBケーブル)

 その昔、ユーバースというショップがありました。いろいろ売ってましたが、面白い中古品やジャンク品、メーカー払い下げ品などがよくあったもののそれ以外はパッとしないお店でした。ある日その店を訪れると、店員(店長?)が「I/Oの日本橋マップでフロッピーが安くないって投稿されちゃったから、値段をがんばって下げたんで、ぜひそれを投稿してちょうだいよ」とか言うので、値段を見てみるとそれでもソフマップのほうが安かったという記憶があります。あ、当時の状況なんかはを参照のこと。
 でもまぁしっかりチェックする対象には違いなくて、その店では何度か心が揺さぶられた中古品に出会ったことがあったりしたわけですが、後にも先にもこれがベスト!というのがMZ-80B/2000用GP-IBボードであるこのMZ-8BIO4と、専用ケーブルであるMZ-8BC04。どちらもなんと980円という破格値で山積になっていたので、速攻で一つずつ確保した次第。だって元々ボードが45000円、ケーブルが18000円もするんですからねぇ、これを目にして買わなきゃ男じゃないっしょ。

 この当時シャープお得意のハイブリッドICを使った特徴ある設計。ちょうどMZ-8BIO3と似たような構成ですが、設定やら電源やらが必要ない分すっきりしてますね。MZ-8BIO3ではカレントループが必要ということでハイブリッドICだったわけですが、このボードでは??

 まぁまず考えられるのは「GP-IBに適したZ80周辺LSIがない」ということ。それで作ったのならわかる気はしますが、それならZ80PIOを併用しないようにしてほしいもの。このハイブリッドICは、Z80PIOを介してアクセスするようになっているので、割り込みプログラミングで迷うことはないのでしょうが、中途半端ですねぇ。
 次に考えられるのが、TMS9914とかの専用ICを使ってもドライバ/レシーバとして75160/75161なんかが必要ということ、そしてハンドシェイクを半自動化しようという意味あいでのハイブリッドIC。ただハンドシェイクはプログラムでやらないといけないみたいなので違うとして、あとはドライバ/レシーバのみ…。それだけなら、なんでこんなでっかいモジュールになるの??
 そしてよく言われるのが、「MZはすぐ特殊なコネクタを使って他のメーカーとの互換をとらない」ということ。ここでもGP-IBなのにD-Subコネクタが使われていますが、実はIEC625というGP-IB/IEEE488互換の規格に準じたもので、決して独自のものではないのです。
 まぁ本音のところは、MZ-80B/2000のスロットのコネクタ用開口部では普通のGP-IBコネクタが大きくて収まりきれないので、このコネクタを採用したというところなのでしょうけど。
 で、こちらが専用ケーブルMZ-8BC04。IEC625でもD-Subスタイルのコネクタを親亀小亀することになっているのですが…これではD-Subコネクタを普通のGP-IBコネクタに変換するだけのケーブルになってしまってますね。だから独自で互換性がないって言われるんだ…。

 昔I/O誌にて、読者投稿コーナーのひとつとして「秋葉原マップ」「日本橋マップ」などというコーナーがあって、お店で見かけた掘り出し物とか特価品とかの情報が掲載されていました。月刊誌ですから掲載されたのを見て買いに行っても品切れとかいうこともままあったと思いますが、このページで評判が良ければ客がよく見に来てくれるだろうし、悪ければ冷やかしにも来てくれないということになるかもしれないわけで、ユーバースの店員があんなことを言うくらいですから、けっこうショップは気にしていたんでしょうねぇ。

 で、今ではソフマップでのフロッピーの値段なんて普通ですけど、当時はノーブランドのフロッピーが大量に市場に流れてきていた時代で、ソフマップはその価格破壊の急先鋒にいたのです。FDDの普及には、ドライブ自体の価格の低下ももちろんですが、メディアが安くなることも重要な要素でしょう。その意味でソフマップその他のノーブランドフロッピー取扱店は重要な役割を果たしたのではないかと思います。


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