SC-U2PCI / I-O DATA


インターフェイス:Ultra 2 Wide SCSI (68pin LVD 80MB/s) / Ultra SCSI (50pin SE 20MB/s)

転送モード:Bus Master

Bus:PCI Rev.2.1 (32bit 33MHz 3.3/5V)

SCSIコントローラ:53C895 / LSI LOGIC

対応機種:PC/AT互換機・PC-9821シリーズ

動作確認マシン:PC-9821Xv13/W16,PC-9821Xv20/W30


 他に選択肢が無くなったことから、節を曲げて購入したI-O DATA製Ultra 2 Wide SCSI対応PCI SCSIカード。

 SC-UPCIでNTFSパーティションを吹き飛ばされた悪夢の印象があまりにも強かったため、当初非常に慎重に動作試験を繰り返したが、流石にBIOS・ドライバ共に改良が重ねられてきたお陰で前回の様な致命的な問題は発生せず、安定動作した。

 可能な限りハードウェアで処理を行い、極力ソフトウェアで処理する部分を減らす実装を好むLSI LOGIC製コントローラを搭載するだけにCPU負荷は低く、またPC-9821シリーズでの各種機器を接続する際の相性問題はほぼ皆無に近いなど、美点の多いカードであるが、その一方でHDDアクセス時の転送性能では競合機種であるInitioのINIC-1060Pを搭載するIOI-A100U2Wに見劣りしたため、とにかく速度を求めてUltra 2 Wide SCSIカードに手を出した末期のPC-9821ユーザーの評価は今ひとつであった。

 もっとも、これはIOI-A100U2WがSCSIバスの動作についてオーバークロックしていた(本来40MHz品が実装されるマスタークロック用クロックオシレータに44MHz品が実装されており、通常の1割増の速度でSCSIバスが動作していた)ことの影響が大きかったと見られており、同カードで正常動作しなかった(=SCSIバスのオーバークロックに耐えられなかった)IBM製HDDが正常動作したこのカードの安定性の高さを評価する向きがあったのも確かである。

 何にせよ、このカードおよび同系の各種I-O DATA製Ultra 2 Wide SCSIカード各モデルが、PC-9821シリーズでHDDブート可能なBIOSを実装する希少なUltra 2 Wide SCSIカードの一つであったのは確かであり、ほんの一時期、それもイレギュラーな形で98対応BIOSが公開されていたに過ぎないIOI-A100U2Wと異なり、比較的長期に渡って安定供給されたことはもう少し高く評価されるべきであろう。


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