REX-PCI32 / RATOC Systems


インターフェイス:Ultra Wide SCSI (68pin SE 40MB/s) / Ultra SCSI (50pin SE 20MB/s)

転送モード:Bus Master

Bus:PCI Rev.2.1 (32bit 33MHz 5V)

SCSIコントローラ:INIC-950 / Initio

対応機種:PC/AT互換機・PC-9821シリーズ

動作確認マシン:PC-9821Xv13/W16Power Macintosh 8500/132


 Initioが開発したPCI対応Ultra Wide SCSIカードであるINI-9100UWの同等品の一つ。

 基板レイアウト自体は純正のINI-9100UWのそれではなく、IOI-9100UWのそれと良く似た、コンパクト化されたレイアウトの物となっているが、BIOSを格納するフラッシュメモリの実装形式が異なっている。

 基本的にはリファレンスと変わりはないのだが、流石に国内メーカーから発売された製品だけあって、当初よりPC/AT互換機/PC-9821両対応のBIOSが書かれた状態で出荷されており、添付のDOS用ASPIドライバやユーティリティ等も、この系列のカードをPC-9821で利用した際に発生するトラブルの回避策を講じたRatocオリジナルの物が添付されている。

 また、添付のマニュアルもこの点に特に留意して記述された力作で、非常に判りやすい。

 カード自体の性能はINI-9100UW系共通のものなので、とりたてて書く程の事は無いが、こういった周辺環境の整備こそは国内メーカーならではのものであって、非常に好感が持てる。

 ちなみに、Initio純正のMac用Open Firmwareを書き込んで利用していたが、Ratoc提供のREX-PCI32用Open Firmwareを書き込もうとしたところ、警告が出て失敗した。

 つまり、Ratoc製でもPC/AT互換機/PC-9821対応版とMac対応版ではPCIのサブシステムIDが厳密に区分されている事を表しており、この点は一応注意が必要である。

 なお、このREX-PCI32は後日REX-PCI32Vとして再発売されたがこちらはPC-9821非対応なので、新規に98でこの系統のカードを使いたいとお考えの方(つまりInitioが配布していたINI-9100UW用PC-9821対応BIOSをお持ちでない方)は、型番に“V”の付かない方を探す様にして頂きたい。

 もっとも、たまに“V”の付かない方でも筆者がやった様なBIOS書き換えで9821非対応になっている場合があるので、中古で探す場合にはそのリスクを覚悟する必要があるのだが・・・。


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