Apple Keyboard (J) [M0116J] / Apple Computer


 ジャンク市で偶然発見し購入したキーボード。

 別名を「標準キーボード」、あるいは後継モデルとの区分上「標準キーボードI」とも言う。

 これはアルプス電気製の基板を実装した、現在もなお生産が続くタイプの同社製ノンクリックメカニカルスイッチを搭載したものとしては初期の製品であり、このタイプのスイッチでも珍しい、IBM系のクリック感のはっきりしたメカクリック/クリックタイプメカニカルキーボードとPC-98系のノンクリックメカニカルキーボードの中間位の微妙な、あるいは絶妙と言って良い様なほのかなクリック感が与えられている。

 これもややストロークが浅い。

 また、CAPS LOCKキーは押し込むとロックされるタイプのスイッチが採用されており、これは同じくALPSメカニカルスイッチを採用するApple Extended KeyboardやApple Extended Keyboard IIも同様である。

 搭載コントローラは80C48で、Appleがキー数に応じてコントローラのROM/RAM容量を使い分けていた事が伺える。

 キー配列は、当モデルに先行して登場した同社初のADBキーボードであり、これと基板設計が共通する(キースイッチそのものは違う)Apple IIGS用キーボードと同一で、一応JIS系に属する様であるが、SPACEバーの両脇にそれぞれ「`」と「¥」が配され、加えて「¥」の右に「←」・「→」・「↓」・「↑」の順でカーソルキーが並ぶなど、かなり独自色が強い。

 ちなみに、ファンクションキーは無いがテンキーは備わっており、普通にMac OSを使うにはこれで機能的に必要充分な配列である。

 なお、この配列は改善されながらiMac付属USBキーボードまで継承されているので、これはこれで一つのスタンダードとなっている。

 このキーボードは、同じフロッグデザインがデザインワークを手がけたApple II GS用キーボードがギリギリまで余計な部分を削ぎ落としたシャープなデザインであったのに対し、同様にコンパクトではあるが緩やかな曲面を強調した、余裕を持たせたデザインとなっている。

 これは総合的に見ると非常に秀逸なキーボードなのだが、如何せん外装プラが経年変化と直射日光に弱いという致命的と言って良い欠点があり、近年市場で見かける中古品でこの種の“焼け”の無い物はほぼ皆無である。


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