IBM 5576-B01 / 日本IBM


 IBM独特のスプリングバック機構を搭載したメカクリックキーボードであり、いわゆるOADG 106キー配列キーボードの祖となったIBM 5576-A01キーボードの直接の後継機種に当たる、ラバードーム+シートスイッチを搭載した安価なキーボード。

 富士通がFM/Vで低価格攻勢をかけていた時期に発表された製品である為か、低コスト化が重視された様で、前作に比して造りは極度に簡素化しており、外装のプラの品質も日焼けしやすい安物になってしまった。

 これはミツミの106キーボードのOEM品で取り立てて特徴のないのが特徴、といった代物だが、流石にIBMへ供給された品だけあってキータッチだけはこの種のキーボードの一般水準を上回る出来で、にぎやかなA01以前と比較して打鍵音が静かな事を積極的に評価する向きもあった。

 もっとも、スイッチの耐久性という点ではこれはA01以前に遠く及ばず、多用するキーがあっという間にヘタって機能しなくなる傾向が強いのは紛れもない事実である。

 世間での評価を見ると、A01以前を知る者の評価は一般的に非常に辛く、それに対しこれで初めてキーボードを触った層の評価は割と高い、とはっきり二分されるが、そのタッチを客観的に評価すればその理由も納得が行こう。


フレーム再表示 インデックス

一応、当ページの内容の無断転載等を禁止します