SUPER S2DGE / SUPER MICRO


(画像はS2DGUのもの)

CPU Type:Slot 2 (SC330) *2

Chip Set:82443GX (440GX) + 82371EB (PIIX4E) + S82093AA(APIC) / Intel

FSB Clock:66, 100MHz

RAM Module Type:168pin 3.3V PC/66・PC/100 SDRAM DIMM *4

Ext.Slot:x2 AGP *1, 32bit 33MHz PCI *4, 32bit 33MHz PCI/ISA *1,ISA *1

Power Supply Type:ATX

Board Form:ATX

BIOS: AMI BIOS Ver.2.5


 出物があったのでテレビの予約録画専用機用として購入した、Dual Slot2マザーボード。

 このボードの基本設計はDual Slot1対応のP6DGEと共通で、その互換性はBIOSの流用が可能なレベル(実際、最新版として提供されているBIOSはP6DGE用であるらしく、そちらの機種名が堂々と表示される)である。

 この種のDual CPU対応SUPER MICRO製マザーボードの常として、メイン基板を共用するSCSIオンボードモデル(S2DGU)が姉妹機種として存在しており、それ故このボードにはAIC-7890 + AIC-3860というAdaptecのAHA-2940U2W相当のSCSIコントローラ群を実装する為の配線パターンが用意されている。

 姉妹機種に当たるSlot1 DualのP6DGE/DBE系が安定動作で名を売ったのと同様、この機種も安定動作を重視した設計で設定可能FSB周波数が66/100MHzのみとなっており、どの様な意味においても面白味には欠けるが、仕事で使うならばこの位無愛想な方が安心感があるのもまた確かである。

 440GX搭載という事で32bit PCIにのみ対応というのが今となっては残念(この時期のIntel製サーバ用チップセットである450NXでは64bit 33MHz PCIに対応していた)であるが、このチップセットは440BXとピン(厳密にはBGAパッケージなのでボールだが)コンパチブルというのがセールスポイントであっただけに、これは贅沢な望みというべきだろう。

 ちなみにSlot2では装着されるCPUが“ネオジオのROMカートリッジ”と形容された程の大型カートリッジ形式になっていて、しかもヒートシンクもかなり大型の重いものが使用されていた関係でリテンションにも相応の強度が要求され、リテンションはマザーボードに固定するのではなくその下の筐体そのもののベースボード部分に直結するという、面倒な構造になっている。

 つまり、このリテンション(DRM=Dual Retention Moduleという名称がある)及びSlot 2はその位置が定まっていてそれ以外の位置への取り付けには様々な制約が付いて回るという事で、また筐体側もその所定の位置にリテンションの固定用ネジ穴を用意せねばならないという事である。

 この様な無理が通ったあたりは当時のIntelの立ち位置(今も大差無いという話もある)が知れて興味深いが、重い部品の固定を筐体と直結するという考え方自体は正論で、この少し後にSocket 370/Socket 462対応マザーボードで大流行した銅製ヒートシンクの搭載が「ヒートシンクの重みでマザーボードがしなって断線する」という問題を発生させた事を考えると、むしろ急激に高速・高発熱化する事が明らかであったSocket 370の制定時にリテンションの保持方法についての規定を設けなかった事の方が問題であったと言えそうである。

 今やこのボードを性能面で積極的に選ぶ理由は事実上皆無(無論、Slot 2 FSB100MHzで最強のPentium III Xeon 900MHz/2MBが2つ格安に手に入るならば話は別だが)であるものの、Pentium III Xeonの500/550MHz品が捨て値で処分されるご時世(筆者は2004年11月に550MHz/512KBをジャンク扱い\1,000(税抜)で購入した)という事もあり、格安でTVキャプチャ専用マシンを組む、といった用途ならば安定性抜群のこのボードを敢えて選ぶのも悪くはないと思う。


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