NH-200F
(MZ-2000/2200用フロッピーI/Fボード)



 ニデコ製フロッピーI/Fです。純正のMZ-8FBIやMZ-1E05とソフトコンパチになっています。当時はニデコ製のフロッピードライブとセットで売られていたものと思われます。微妙に純正と異なるところもあるので、単純にI/Fボードだけ置き換えるわけにはいかないのがつらいところ。

 ところでこのボード、MZ2000などと書かれているようにMZ-80B/B2/2000/2200でのみ使用できるボードとなっています。発売された時代の関係でこのように書かれてはいますが(箱にはMZ-2200用と書かれています)。それはともかく、このように機種限定となる最大の理由はボードの形状です。MZ-1E05の紹介での写真を参照してほしいのですが、このボードはMZの背面から見て右下、フロッピーI/F専用スロットに入れる前提の形状になっているのです。



 というわけで比較してみましょう。まずは純正のMZ-1E05から。
 MZ-1E05はMZ-700/800/1500で使用されることを前提に標準サイズに改められたので、他のボードの代表としても見ていただけると思います。VFO周辺の回路が全然違うので比較しにくいですが、サイズを縮めた分部品が密集しているようにも思えます。



 重ねてみました。微妙でわかりにくいですが、コネクタなどの位置関係が合っているのに対して右がはみ出しているのが見えます。


 で、昔カタログとかを見てて大きさとか形が似てるよなーと思っていたのがX1用のオプションボード。これを裏返したものとフロッピーI/Fって同じじゃない?ということでもう一度比較してみましょう。取り出したのはFM音源ボードのCZ-8BS1です。
 この、カードエッジコネクタとそこから端までの長さが、きれいに対称を描いているように見えませんか?



 寸法が比べやすいようにずらしながら重ねてみると…まさにぴったり。つまり、X1の設計にあたってはMZ-8BFIのボードを裏返した寸法を流用したということになるわけですね。

 というのを私は結構前に気づいていたんですが、意外に知られていないのか、紹介するとびっくりされることが多いです。X1の設計ではMZ-2000の良いところは取り入れ、改良すべきところは変えて、というところが随所に感じられるのが面白いんですよね。

 ところで、このボードを入手したのは単なる物珍しさからだけではなくて、本体とフロッピードライブの台数に対してI/Fが足りないのを補うという目的があったからなのでした。ニデコのドライブはREADY信号を積極的に使用しているのに対して純正はちょっと処理が異なっているようで、このボードに純正ドライブを接続してもうまくアクセスしてくれませんでした。

 というのも、おそらくMZ-80FD時代のことなのだろうと思いますが、FDドライブから返されるREADY信号が当てにならないとされていたようで、READY信号はINDEX信号からワンショットで引き延ばすことで自前で作るようになっていたのですね。逆にFDドライブ側のREADY信号が信用できるようになっても過去の製品がそのまま使えるよう、I/Fはずっと自前生成を通したのでしょう。なお16bit機用のドライブはREADY信号を出力するようです。

 そこでボードに改造を加え、常にREADYが有効になるようにしたところ一応アクセスできるようになりました。MZ-1F07相手でないとうまくいかない、ディスクの入っていないドライブをアクセスしてもエラーを検知できない、という問題は残りましたが…。

 MZ-2200の入手に際してこの改造を取り払って元に戻しました。というのも、

ので、純正ドライブでなければFDD運用可能だということに気づいたからです。一時はI/F上のフリースペースにREADY信号生成回路を作るべきか悩みましたが、その必要はなさそうですね。

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