MZ-80K2E


スペック

CPU Z80
メモリー ROM4Kバイト、RAM32Kバイト(ダイナミックRAM)、ボード内で最大48Kバイトまで拡張可能
ディスプレイ 白黒10型ブラウン管 1000文字(横40×縦25)
カセットテープ
レコーダー
標準オーディオカセットテープ使用、データ転送速度 1200bit/秒、
データ転送方式・SHARP PWM方式
キー構成 78キー(無反射)、ASCII標準(英・数字)64種、カナ・漢字78種、グラフィック62種
編集機能 カーソルコントロール 上、下、左、右、ホーム、挿入、削除
時計機能 内蔵
音楽機能 内蔵
音声出力 500mW 最大
温度 使用温度0℃〜35℃、保存温度-15℃〜60℃
電源 AC100V±10% 50/60Hz
消費電力 50W
外形寸法 幅410×奥行470×高さ270(mm)
重量 約13kg

背景

 ついに訪れた最初のパソコンブームは、ユーザー数の増加と共に参入メーカーも増加した時代でした。パソコンと名がつけばなんでも売れるとさえいわれたものです。新規参入メーカーは、同じく新しいユーザーに対して初心者向けの機種を安価に発売しました。これは実績のないメーカーはシステム(=ビジネスに耐えうる高級機)を売ることができないという事の裏返しでもあったと思われます。
 対抗する既存メーカーは、ソードのように玩具メーカーとタイアップして低価格機「M5」を出したり、NECのようにラインアップを増やして上下に展開(PC-8801とPC-6001)したり、日立のように下位機種にてこ入れしたり(ベーシックマスターJr.)といろいろな対策を考えました(NECの場合はもう少し事情が複雑なようですが)。シャープは上はMZ-80Bで攻め、下はMZ-80K2の価格を下げることで対抗しました。ちょうどMZシリーズの出荷台数が10万台を達成したこともあって、その記念モデルとしてMZ-80K2Eが発売されました。

 スペックとしてはMZ-80K2とまったく変わりません。特筆すべきはデザインで、これまでの黒ベースのキーボードが白ベースに変わり、またCRT周りのケースの色は緑となりました。MZ-80K/Cシリーズでは最も美しいモデルといえます。そして価格は148000円。長く販売してきて設計に関する費用は償却されたということなのか、思いきった値下げとなりました。

 ただ、記念モデルという「限定品」扱いということと機能の向上がなかったこともあって、あまり台数は出ませんでした。それでも、それまでMZに憧れていたホビイストからの注目を集めたことは確かです。そしてこの価格として現れる製品の位置付けは、MZ-1200へ引き継がれていったのです。

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