AX286N(MZ-8376A)

 私の初めてのAT互換機です。日本橋のOAシステムプラザで展示品処分というのをボーナス一括で買いました。2台並んでいたうちの汚れていた方です(店員に欲しいと言ったらそちらを勝手に選ばれてしまった。あっちにしてくれと言えなかった気弱なわし^^;)。

 持ち帰るとACアダプタのコードとマニュアル数冊と確かバッテリも欠品していました。店に電話すると数日で送ってきましたが、後日同店に行ってみると残りの1台が「欠品あり」で陳列されていたという…。

 このマシンはDOS3.21/Windows2.11プリインストールだったので、最初はその環境で使っていました。電子手帳用3.5インチFDDを買ってきて、ポケコンジャーナルの記事を参考に外付けFDDをこしらえたりもしました。

 が、ある日のこと、大学で助手をしている先輩のところに遊びに行くと、「その機械ってVGA積んどるんやろ?」という意外な言葉を聞きました。たまたまあった季刊AX No.8によると、CFCの西川和久さんが同じ物を購入し、VGAモードでWin3.0(英語版)を入れてみたとのこと。不完全ながら、いわばVGAのデチューンを積んでいるかのようなのです。真相はEGAレジスタ上位互換であるVGA、SuperEGAとVGAのVRAM拡張法の相似なのではないかと思いますが。

 この時から、AX286Nの拡張を夢見るようになりました。同じ頃、Niftyの互換機のフォーラムのAXの会議室で無理矢理だけどDOS/Vが走ること、そしてSONYがIBMのDOS5/VとAX用ドライバとのセットをQuaterLユーザー向けに売っているが単品でも買えるということが話題になっていました。そこで、拡張メモリを1MB、純正FDD、拡張バッテリをアイビット電子で買い、関東出張の折りにそれを受け取りました。SONYのDOS/Vセットは日本橋のJ&Pテクノランドで取り寄せました。

 DOS/Vを起動してみると、色数の少なさゆえのパレットの違いで読めなくなる文字がありますが、とにかく動きます。で、SONYのドライバを入れるとちゃんと読めるようになる、と。また、DOS/V化の効用がもうひとつあって、画面モードのチェックの甘いプログラムは日本語表示ドライバのせいでJEGAにもかかわらずVGAの480ライン表示ができるものもあるのです。そのうち、DOS5/VでAXの日本語モードを使用するために画面をAX日本語に設定するMODEJD.SYSや、JEGAアダプタの漢字ROMからフォントを読み出して標準の$DISP.SYSで表示できるようにするFONTJEGA.SYS(縮小文字対応)がAXの会議室で公開されて、ますます使いやすくなりました。

 93年になって巷ではWin3.1が話題になり、AX286Nでも多少(^^;無理でも動かしてみようかと思い立ち、まずは当時最大容量だった120MBのHDDに交換してみました。が、なんとBIOSが20MBに決めうちをしていて交換してもそれ以上のアクセスができないのです。他の機械でフォーマットしてみてもAX286Nでは使えず、これは解決を先送りしました(結局今でも解決してませんけど)。

 次に、トラ技の広告で見つけたCPU換装業者であるテクニトロン・サプライを見つけ、そこに本体を送って486化の改造を依頼することにしました。たまに雑誌などで紹介されたUGT(アップグレードテクノロジー)製のアクセラレータを取り扱うその業者に電話で聞いたところ、とにかく送ってみてくれれば検討してみるとのことだったので、決断したのです。

 が、これが大外れ。送ったところ最初依頼したアクセラレータではうまくいかないからひとつ上位のでやりたいとのこと、そのため追加料金を送金。最初に依頼した時に自宅の電話番号を書いたのに、あとから連絡を入れた時の職場番号に土曜日に連絡を入れ(当然私は自宅にいた)、それから一週間も連絡がなく、こちらから何度電話しても担当(女社長)が多忙でつかまらず、やっとつかまっても技術担当が出社しないから作業ができないとか、実は技術担当は一人しかいないからその人次第で作業の進捗が決まるとか、あまりに不真面目だから代わりの人を探そうかと思っているとか、また連絡が途絶えたりとか、どうも電話で名乗ることで居留守を使われてるのでは?と疑わしくなったのでNiftyで期日指定のFAXメールをバンバン送るようにしても連絡をくれないし、やっと連絡がついたと思ったらそれまでいろいろ検討していたのは口先だけで実はなんにもしてなかったり、実は薬品で汚したと明かされたり、そのままでは入らないからケースを下に取り付けたいと言うので許可するもののまた連絡が途絶え、結局私が転勤するためにそれまでに取返すことを目的に返還を要求、先方は代金の全額の返還と取り付け予定だったアクセラレータの無償提供を約束、後日やっと返送されてきました。が、発送時に入れた純正の箱ではなく向こうが用意したなんの変哲もない段ボールに入れてあり、しかもACアダプタのコードが純正のよりも細いコードに取り替えられていたりと、とんでもない姿で帰ってきたのです。とても客の物を預かる商売をしていたとは思えません。業者は箱とコードを紛失しているのです。リースだって消耗品以外はちゃんと返さないと弁償になります。私は最後の怒りのメールを送り付けましたが、改めて謝罪するとかいう行動は示しませんでした(返事はいらないとは書いたけど、その言葉に甘えて誠意も見せないんだから困ったもんだ)。このトラブル中にテクニトロン・サプライがトラ技の広告にCPU交換を載せなくなったり、半年ほどしてダイレクトメール広告を送ってきましたが今では会社自体あるかどうか怪しいものです。一応基板の286はソケット実装に変わってはありましたが、アクセラレータが収納できないのでそれで使うのはあきらめ、アクセラレータはMZ-6500に使用しています。

 この改造がたたったか、一月ほどして故障してまったく動かなくなりました。別の互換機ノートを買ったのでしばらくそのままだったのですが、やっぱり不憫なので25000円ばかしかかりましたがメインボード交換で修理しました。ある日偶然にもシャープAX関係のたたき売りに出会ったのでメモリを購入し、念願のフル実装(っても3MBだけだけれども)となりました。

 写真のオプションの中で、テンキーだけはシャープ製ではありません。OEM供給していた三菱のもので、たまたまJ&Pのワゴンの中に転がっていたのを買いました。モデムボードも純正ではありますがやはりJ&Pで9割引で叩き売られていたのを買いました。

 キーのストロークは短いですが、ピッチが十分にあって打ちやすいキーボードでした。これにDOS3.21付属のVJEβ2.11との組み合わせが私には一番使いやすかったですね。

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