FM-7/8のROMを抜く (XM7/EM-7)

●XM7/EM-7用ROMファイルの作り方

XM7やEM-7などのエミュレータを利用するには、FM-7シリーズ実機のROMデータが必要になります。エミュレータは実機ハードウエアと同等の仮想ハードウエア環境をPC上で再現したものです。ハードウエアはソフトウエアがないと動きません。そこで、実機からROMデータを抜き出してエミュレータに与える必要があるのです。

当然ですがROMデータは富士通(およびMicrosoft)の著作物ですので、適当にネットから持ってくると著作権法違反になってしまいます。つまり、XM7を利用するためにはFM-7シリーズの実機を所有している必要があります。うるさいことを言えば、ROMだけ吸い出してYahoo!オークションでFM-7を売ってしまったら、そのROMを使用する権利もなくなります(たぶん)。

FM-7/8実機からROMデータを吸い出す方法はいくつかありますが、代表的なものとして以下のものが挙げられるでしょう:

方法 条件 良い点 悪い点
SAVEROMユーティリティ使用 FM-77AV以降が必要 FM-77AVシリーズ用のROMデータや漢字ROMデータなど必要なものはすべてそろう ・AV以降が必要!
実機をばらしてROMライタで吸出し ROMライタが必要 ・いらないデータもすべて抜き取れる
・Apollo(=俺)作成のユーティリティーでXM7に必要なファイルを簡単に作成できる
・FM-7そのものは死んで(=壊れて)いてもROMデータを取れる(=ジャンクでもOK)
・ROMライタ必須。回路図を持ってないとどのROMを吸えばいいのか分からない(だいたい見当つくけど)。
・実機をバラすので、富士通の保証がきかなくなる(とっくに切れてるって?)
・実機をバラすのはこわい(^^;
実機でプログラムを作って抜き取る   特別な装置が必要ない ・実機のプログラムを作らなくてはならない
 (サブシステムのROMをメインに転送しなくてはならない)
・DOSモードのIPLを抜くために細工が必要

その他に、「なべちゃんのホームページ」(http://www.ic-net.or.jp/home/yoshimi)に掲載されている、EM-7用のROMの抜き方なども参考になると思います。Sub-System Monitorをmain側に転送するツールなども掲載されています。方法としては、「実機でプログラムを作って抜き取る」に分類されるでしょう。

 


●具体例のご紹介

ここでは、FM-7/FM-8用のROMデータを抜き出す手順をいくつか紹介しています。

1 データレコーダを利用した抜き方 FM-7/NEW7/8 XM7/EM-7
2 ROMライタを使った抜き方 FM-NEW7 XM7
3 ROMライタを使った抜き方 FM-8 XM7

1の方法の場合、DOSモード用のブートROMの内容を取得することが出来ません。このため、一部のOSが起動できません(どうやら工夫すればDOSモードのブートROMも抜けそうだけど、まだ試してない)。

2,3の方法の場合はDOSモード用ブートROMの内容を取得できます。

UCSD p-System(なつかし〜)などはDOSモードでないと起動しません。OS-9は起動できたような…要はIPLをリロケータブルに書けばよいだけのはずなんですが。