ソース:「"アニメの殿堂"必要」――里中満智子さんら、「原画やゲーム基板の保存場所を」と訴え (ITmedia News)
先の5月中頃に、文化庁がメディア芸術作品の保存と展示を目的とした国立メディア芸術総合センター(仮称)の設立を発表し、賛否両論が飛び交っています。管理人@RetroPC.NETとしては、わざわざ「芸術」という看板を掲げているあたりに違和感を感じてはおりますが(「芸術に値しない」と門前払いを喰らう作品がありそう)、コンセプトについては賛同します。遅すぎたくらいですよ。
我らがレトロコンピュータに目を向けますと、社団法人情報処理学会の「コンピュータ博物館設立の提言」は、経済産業省から「保存に値する技術などそもそもあったのか?」という論外のお言葉つきでスルーされ、情報処理技術遺産の認定による分散コンピュータ博物館という苦肉の策を進められておりますが、なるほど、芸術だから保存しなければならないという話にすれば補正予算案に盛り込まれるところまで一気に進んでしまうのですね。
RetroPC Foundationとしては、とりあえず21世紀に入ってから、ProjectEGGをはじめとするコンテンツ復刻ビジネスに協力して参りましたが(株式会社D4エンタープライズとの顧問契約は昨年終了しました)、こうした動きの中で「完成・販売されたコンテンツのみの保存・復刻」にばかり目が行くことについて危惧を抱いておりました。実際には、ゲームというのは製品単体で完結するものではありません。開発資料やソースコード、周辺情報(広告チラシなり雑誌記事なり)はもちろん、開発サイド、販売サイドの人間から得られる情報や、プレイヤーの実体験をすべて包括した「ゲーム文化」なのです。
その意味で、リンク先記事における浜野保樹教授の意見は非常に重要です。
浜野教授も、ゲームの基板やアニメのセル画、アニメ制作に必要な機器などを保存・展示する拠点が必要と主張。「古い名作ゲームを基盤ごと保存しておくにはスペースが必要だが、置き場がなく、どんどん捨てられているのが現状」と訴えた。
他の方々がどの程度認識されているかどうかはわかりませんが、「制作に必要な機器など」という言葉が、こうした場で出て来るのを見たのは初めてのことかも知れません。
さて、RetroPC FoundationのレトロPC倉庫は、昨年夏頃からの大不況の影響をモロに蒙っておりまして、生活していくだけで精一杯ということもあり、最近はちょっと収集ペースが落ちて参りましたが、それでも毎月ちまちまと数を増やしつつ現在も維持を続けております。とはいえ、倉庫作業を手伝っていただいている方々も、皆、年を追うにつれて私生活や仕事が忙しい身となっているので、そろそろ博物館などへの働きかけを再開しなければならないと考えています。(以前、幾つかの博物館とお話をさせていただきました際には、バックヤードに収容スペースが足りない状態なので、むしろこちらで維持して欲しいと要請されました)
そのためにも、とりあえずは目の前に積みあがったお仕事の山から片付けなければなりませんが。
今日も徹夜。明日も多分徹夜。